艦これ ケッコン 修羅場 ss。 【艦これSS】提督「ケッコンしても、翔鶴と榛名が鴉天狗みたいな顔をする」

第一次鎮守府ヤンデレ大戦

艦これ ケッコン 修羅場 ss

今日も変わらぬ快晴の空が窓の向こうに広がっている。 窓を開けば心地の良い微風が頬を優しく撫で上げ、今が深海棲艦と戦争している事を忘れさせてくれる程、横須賀鎮守府は穏やかな空気に包まれている事を実感させてくれる。 ただ、それはこの執務室の中だけに限るが……。 部屋の外から感じる禍々しい気。 もし俺が提督と言う立場でなく、執務室の扉に『立ち入り禁止 ~破った者は大嫌いになります~』の張り紙を貼っておかなければ、今頃はこの扉は跡形もなく木っ端微塵となっていたに違いない。 相手は艦娘だ。 人類では倒す事の出来なかった深海棲艦を倒せる力を保有している。 そんな彼女達からすれば、こんな扉など装甲を破るよりも遥かに容易い事だ。 鎮守府全体が不穏な空気に晒されている事は理解している。 その原因は机の上に置かれている一枚の紙と小さな箱の中に入った銀色の指輪だ。 知り合いの海軍大将からの手紙と共に大本営より送りつけられた書類とこの箱。 曰く指輪は艦娘達の秘めた潜在能力を引き出す事が出来る増幅装置であるらしい。 俺自身も特にそれについては何も文句を言うつもりはない。 強くなれる装置があるのなら使うのが当たり前、そして指輪と言う形も戦闘の際に邪魔にならない事が考慮されているとわかる。 最も此方の意思を押し付けるつもりはない、あくまで付けるか否かは彼女達の意思が決める事だ。 だが問題は書類の中に入っていた婚約届け……これが一番の原因だったりする。 大本営曰く、このシステムはケッコンカッコカリと呼んでいるそうだ。 その理由としては結婚式の様なやり取りだからと言う実に安直なものだった。 俺としてはどうでもいい事だった。 ケッコンカッコカリはあくまで契約の名前であり、本当に結婚する訳じゃない。 しかし大本営はケッコンカッコカリを行う事で艦娘に対する性的接触も認めると言う事が書類の中に記載されていた。 確かに艦娘の皆は男の俺から見て全員魅力的な女性ばかりだ。 ただ海軍大将の手紙には大本営はケッコンさせる事で軍に縛り付ける魂胆なのだと言う。 つまり軍は俺と言う存在を切り離したくないのだ。 だが俺は契約上の提督。 いつかこの鎮守府を離れる運命にある。 その時が訪れるまでこの鎮守府の提督として役目を果たすだけだ。 大本営のいいなりになるつもりはない。 だが、彼女達はどうやら違うようで……。 「さて、どうしたものかな……」 箱の中に収められた銀色に輝く指輪を手に取る。 俺にとっては何の変哲もないただの指輪だ。 これを付ける事で潜在能力を引き出すその技術について小一時間程質問したい気持ちだが……。 それよりもこの指輪をどう処分するか。 その時、ふとある項目で俺の目が留まった。 書類をもう一度読み返す。 そこにはある重要な事が記載されていた。 どうして読み抜けていたのだろう。 これを伝えれば暫くは彼女達も静まる筈だ。 「……なるほど、そういう事か」 俺は指輪を手に取り執務室を出る。 周囲に誰もいない事を確認するとある場所へと向かった。 [newpage] 給糧艦の間宮が経営する食堂。 普段ならば提督を始め多くの艦娘達が食事をする為に集い、戦果についてや世間話に花を咲かせ賑わっている。 だが今その食堂は嫉妬、殺気、怒気と言った負の感情で包み込まれていた。 一般人が足を踏み入れれば色々とブレンドされた禍々しい気に触れただけで絶命しかねない。 誰も一言も発する事なく、ただ黙々と食事を摂る。 そうして一人、また一人と食べ終えた食器を戻し元いた席に座る。 「それじゃあそろそろ決めまショー皆サン。 誰がテートクのwifeになるのかをネ……」 その一言に全員の顔付きが変わる。 彼女達はある一つの事について争っていた。 それはつい最近大本営より提督宛に送られてきた書類と指輪である。 潜在能力を引き出す事が可能とする装備品だが、彼女達にとってそんな事はどうでもよかった。 艦娘……かつて戦艦だった物が人間として生まれ変わった存在。 故に深海棲艦を倒す事が出来る。 しかし彼女達は艦であると同時に、一人の人間の少女である事にも変わらなかった。 自身は一人の人間である、そう意識させたのは提督の優しさがあったからと言っても過言ではない。 その優しさがあったからこそ彼女達は彼に兵器としてではなく一人の女子として意識し、そして恋心を抱くようになった。 だからこそ、指輪と書類の存在が気になって仕方が無かった。 大本営はこのシステムをケッコンカッコカリと称している。 カッコカリなのはあくまで強くなる為の手続きであるからで、本当の結婚ではない。 しかしこの鎮守府に所属している全ての艦娘達はカッコカリではなく本当の結婚として認識していた、ケッコンカッコガチである。 提督とケッコンする……それは即ち百を超える艦娘の中で特別である事を意味する。 そうなればタダでさえ恋敵が多い中最も有利な位置に立つ事が出来る。 戦争中である為に本物の結婚は出来ないかもしれない。 故に彼女達は我こそが相応しいと名乗り上げ、日々争ってきた。 直接アプローチを仕掛けにいった矢先で同じ事を考えていた輩と遭遇し互いを罵り合い、かと言ってどちらが強いか演習の度を超えた戦闘に発展したりもした。 その時は全員が折檻を受け、提督に嫌われたくない思いで力による解決はしないと艦娘達の中で誓約し、代わりに舌戦で戦う事が日常茶飯事に行われるようになった。 よって今から行われる舌戦も、実に二十五回目を迎えようとしている。 「テートクのwifeに選ばれるのは言うまでもなくこの金剛デース! 私のBurning Love! な想いを受ければテートクはknock down間違いなしネー!」 「貴女の様な騒がしい人じゃ、提督に相応しくないと思うのだけれど?」 「what's!?」 金剛の発言に加賀が反論した。 「提督は落ち着いた女性が好みなのよ。 貴女の様に英語を混ぜ合わせて騒ぐ女性は好みじゃないわ」 無論、これは加賀の勝手な思い込みである。 そんな加賀に五航戦の妹君である瑞鶴が反論した。 「能面浮かべて可愛げのない女性もどうかと思いますけどねぇ。 提督さんは私みたいな元気な子が好きなのよ。 それと翔鶴姉みたいにお淑やかで優しい女性も相応しいと思いますよ?」 「ちょ、ちょっと瑞鶴」 「……頭に来ました」 加賀と瑞鶴が激しくにらみ合う。 それを双方の片割れが宥めながらも、時折援護する様に罵り合う。 一航戦VS五航戦による舌戦が繰り広げられる中、他の場所でも舌戦が繰り広げられた。 「霞、司令官はアンタみたいな口の悪いツンしかない女は興味ないわ」 「はぁ? アンタこそ人の事言えるのかしら叢雲?」 「夕立提督さんの為ならなんだって出来るっぽい! えっちも頑張って練習するっぽい!」 「そ、それなら僕だって……!」 「提督はイクの事が大好きだから何をしても怒らないのね。 だから提督のお嫁さんになるのはイクって相場が決まってるのね!」 「提督は純和風な味付けの料理が好みです。 だから大和さんでは提督を満足させる事は出来ないかと思います」 「大和ホテルと言われた私のフルコースに掛かれば提督も嗜好を変えると思いますよ鳳翔さん?」 「わ、私は金剛お姉様一筋ですけど! で、でも提督になら毎日比叡特製カレーを作ってだげてもいいかなぁ……なんて!」 「それは危険だから止めた方がいいですよ比叡姉様」 「榛名は金剛姉様にも比叡姉様にも、霧島にも負けるつもりはありません!」 「わ、私の玉子焼きだって負けませんから!」 騒がしくなる食堂。 本日も晴天なり》 スピーカーを通して聞こえてくる提督の声に艦娘達は一瞬にして口を閉ざし傾聴する姿勢に入った。 《面倒だから館内放送を使って皆に説明する。 知ってのとおり大本営から送られてきたケッコンカッコカリシステムについてだが……》 ケッコンカッコカリと言う単語が出て、艦娘達は食いつく様にスピーカーに耳を向けた。 《実はさっき書類を読み返したんだけど、この指輪を付けるには練度が99に達している事が条件で練度が最高値に達していない場合付けてもなんの効果もないらしい。 まだ皆練度50台だったから誰ひとり付けられないから、暫くはこの話は無しと言う事で》 通信室より館内放送を行う提督。 しかしその言葉を聞いている艦娘は既に食堂にはいなかった。 向かう場所は他でもない、憎き深海棲艦がいる大海原だ。 練度が足りないのなら深海棲艦を狩って上げればいいだけの話だ。 自身の練度は上がり海域を解放する事で人類に貢献し提督にも喜ばれる、一石二鳥だから文句を言われる事は何一つない。 第四艦隊まで、と言う制約は今の艦娘達にとってはどうでもよかった。 人数が多ければ的に索敵されやすいと言うデメリットがあるが、そんな物愛の力でねじ伏せればいいだけの事。 恋に支配された艦娘達の思考は、常識を完全に破棄していた。 たった今より大艦隊時代へと突入したのである。 後日、資材が一気に枯渇した事に提督はショックのあまりに寝込み、暫くの間は食堂で舌戦を繰り広げる日々が続いた。 そして資材集めに伊号達がオリョール海へと駆り出されたのは言うまでもない。

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提督「霞にケッコンを申し込んだら意外にもOKを貰ってしまった」 : 艦隊これくしょん SS

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提督「……ん?」 今日は特にこれといって変わったこともない、平凡な1日だった。 ……この紙を見つけるまでは。 提督「……『ケッコンカッコカリについて』?」 大淀「あっ、もう届きましたか」 提督「大淀さん、何ですかこの紙?」 大淀「説明する前に1つ。 『ケッコンカッコカリ』は知っていますか?」 提督「はい。 噂程度にですけど」 大淀「ケッコンカッコカリというのは、艦娘達と絆を深め」 提督「はい」 大淀「艦娘達の能力を高める」 提督「はい」 大淀「いわゆるパワーアップのようなものです」 提督「そこまでは分かるんです。 でもなんで『ケッコンカッコカリ』って名前なんですか?」 今のところケッコンのケの字もないじゃん。 大淀「パワーアップの工程が、結婚と酷似しているんです」 提督「へぇ」 大淀「ケッコンカッコカリは、まず2人の合意がないと成り立ちません。 それは分かりますね?」 提督「はい」 そりゃ知らない間にパワーアップしてたらびっくりするもんな。 大淀「まず、対象の艦娘と提督の2人が書類にサインをします」 提督「はい」 契約書みたいなもんか。 大淀「で、提督がパワーアップに必要なアイテムを渡すんですが」 提督「ですが?」 大淀「そのパワーアップアイテムというのが、左手薬指につけないと意味の無い指輪型の装備なんです」 提督「それってなんでその位置でその形なんですか?」 狙ってるとしか思えないよな。 大淀「大本営曰く、『場所については、実験を繰り返した結果ここが最適だった』『形については軽量化と安全性を配慮した結果』らしいです」 提督「胡散臭いですね」 大淀「私もそう思います」 提督「あ、何か条件ってあるんですか?ケッコンの」 大淀「練度99が条件です。 あなたには関係 ないですが」 そう。 うちの鎮守府は全員の練度がカンストしている。 よって1つ目の弊害はなくなった訳だが……。 提督「あの、ケッコンって絶対ですか?出来ることならしたくないんですが……」 出来ることならしたくない。 それには理由があるのだが、まだ艦娘達には話していない。 話したところでなにか変わる訳でも無いからな。 大淀「絶対ではありませんが、恐らくせざるをえないでしょうね」 提督「え?なぜですか?」 なに?ケッコンしないと降格とかあんの? 大淀「ケッコンカッコカリについては、艦娘達にも既に伝達済ですから」 提督「はぁ」 なんだ、それなら大丈夫だろう。 俺のことを好いてくれてる艦娘なんて金剛くらいしかおらんし。 大淀「……では、これから頑張ってくださいね」 提督「特に頑張ることなんてないでしょうに」 大淀「……油断してると痛い目を見ますよ?」 提督「……はぁ。 まあ、大丈夫だと思いますけどね」 大淀「……」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ しばらく執務をしていると。 金剛「Heyテイトクー!午前のティータイムデース!」 提督「お、もうそんな時間か」 金剛型四姉妹とのティータイムはもはや日課となりつつある。 いい息抜きにもなるので、お言葉に甘え参加させてもらっている。 金剛「ホラ、早く来て下サイ!」 提督「ああ」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 何これ。 聞いてないよ? 金剛「テイトク、悪く思わないでネ」 『今日はいつもと違う場所でティータイム』と言われたのでついていくと、そこには縄や猿轡を持った比叡達が。 瞬く間に拘束されてしまった俺は、為す術もなく金剛に担がれて移動している。 提督「んー!んー! 一体何をするつもりだ! 」 金剛「そんなに酷いことはしませんヨ」 提督「んー!んー! なら何を…… 」 金剛「もうテイトクは『ケッコンカッコカリ』は知ってますネ?」 提督「!? 」 知っているが、それがなんだというのか……まさか!? 金剛「恐らくテイトクが今思ったことが当たりデス」 普通ケッコンカッコカリごときでここまでするか!? 金剛「私達艦娘にとってはケッコンカッコカリは結婚同然なんデス」 提督「……?」 金剛「艦娘と人は根本的に違う生物。 結婚は不可能なんデス」 提督「……」 金剛「そんな私達に唯一許された行い、それがケッコンカッコカリ。 こんなchance、みすみす逃す訳には行かないんですヨ」 ……なるほど。 でも、だからと言って俺を攫っていい訳じゃないよね? 金剛「なので、他の子に取られないうちに半ば強制的にケッコンしようと……」 それ暴君の思想。 そうこうしているうちに工廠裏へと運ばれた俺は、地面に降ろされ猿轡を外された。 金剛「さぁテイトク。 書類一式と装備はもう持ってマス。 サイン、してもらえますネ?」 提督「……駄目だ」 金剛「……ナゼ?」 提督「今はまだ言えないが、俺はケッコンしたくない理由がある」 この理由は、まだ皆には言えない。 金剛「……そう、デスカ」 提督「すまない」 ……自分に向けられた好意を裏切るというのは、あまりいい気がしないな。 が、もう大丈夫だろう。 なにせ、俺のことを好いてくれてるのが金剛だけなのだから。 提督「じゃあ、俺は執務に戻るから」 金剛「……テイトク」 提督「どうした?」 金剛「……いつでもwelcomeですカラ」 提督「……ああ」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 提督「……ふう。 とりあえずは終わりか」 鈴谷「あ、終わった?」 提督「ああ」 鈴谷「今日もアレしよ!」 提督「全く……仕方ないな」 鈴谷はいつの間にか執務室にいて、いつも俺の執務が終わるのを待っていてくれる。 で、その後鈴谷とすることと言えば……。 提督「くそぅ!また負けた!」 鈴谷「流石に弱いよー」 ゲームである。 提督「このゲームならいけるかと思ったんだがな……」 鈴谷「よりにもよって私が一番得意なゲームを選ぶなんて、ツイてないね〜」 鈴谷はとにかくゲームに強い。 どのくらい強いネットゲームでのあいつの異名が『初見ならチートだと思われる人』になるレベルで強い。 鈴谷はゲームと名のつくものは未だ負けたことがないらしい。 提督「なんとかして勝てないものか……」 鈴谷「無理無理。 私が負ける可能性があるのなんてポッキーゲームくらいだよ」 提督「なにそれ」 鈴谷「……うーん、口で説明するより実践したほうが早いっしょ。 ちょっとポッキー買ってくるね」 提督「あ、それなら……」 何故か執務室にある冷蔵庫。 その中には……。 鈴谷「わっ!ポッキーがたくさん!」 提督「これな、昨日金剛が置いてったんだ」 金剛『Heyテイトク!食べてもいいケド、1箱くらいは残しといてネ!』 提督『えっ』 金剛『じゃ、また!』 提督『えっ』 金剛『バーニング、ラァーブ!』 提督『えぇ……』 提督「みたいな感じで」 鈴谷「なるほど……沢山準備したのが裏目に出たね」 提督「裏目に出たとかなんのことか分からんが、とりあえずポッキーゲームについて説明してくれ」 鈴谷「うん。 とりあえず端っこくわえて」 提督「ほうは? こうか? 」 鈴谷「で、反対側を私がくわえると」 提督「!? 」 鈴谷「お互いが食べ進めていって、先に口から離したほうの負け」 提督「まへまへまへ! 待て待て待て! 」 鈴谷「だーめ。 じゃ、スタート!」 展開が掴めないうちに始まってしまったポッキーゲーム。 今俺はとてつもなく緊張している。 だが、それは恐らく鈴谷も同じ。 『私が負ける可能性があるゲーム』と言っていたからな。 このゲームはあまりしたくはないが、始めたからには真剣にやらせてもらおう。 提督「……」 鈴谷「……」 ポッキーが食べ進められる音と、自分の鼓動だけが聞こえる。 近づいてくる鈴谷の顔に、鼓動はますます勢いを増す。 提督「……」 鈴谷「……」 あと数cmで唇が触れ合うか……というところで。 鈴谷「えいっ」 提督「!? 」 鈴谷は一気に距離を詰め、そのまま二人はキス。 鈴谷「んへへ……」 鈴谷はほんのり顔を赤らめ、満足気な表情をしている。 提督「あ……うぁ……」 上手く口が動かない。 鈴谷「……ねぇ」 鈴谷の発する言葉一言だけで、体が震える。 何も、考えられなくなる。 鈴谷「提督は、もう『ケッコンカッコカリ』って知ってる?」 真っ白な頭の中、『ケッコンカッコカリ』という言葉だけが鮮明に聞こえた。 提督「……ああ」 鈴谷「……私じゃ、ダメ?」 本能のまま、鈴谷を選びたい衝動に駆られる。 だが、唯一少しだけ残った理性がそれを押しとどめた。 提督「……ダメ、だ……」 鈴谷「……っ」 提督「今は、まだ……」 鈴谷「……理由だけでも、教えて?」 提督「……できない。 が、いずれ全てが終わって、それでも俺の事を選んでくれるというのなら」 鈴谷「……分かった。 私に、私達艦娘に言えない理由があるんだね。 ……仕方ない。 提督がその理由を皆に明かしてくれたら、鈴谷はまた提督のところへ行くよ」 提督「……すまない」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 危なかった。 あと一瞬でも理性の覚醒が遅かったら……。 加賀「提督、お疲れのようだけれど」 提督「ああ、加賀さん」 顔を上げると、そこには加賀さん。 初めこそ冷たい印象を受けたが、実はとても優しい人だと今なら分かる。 加賀「疲れているのなら休むべきです」 提督「……そうだな。 今日はもう休ませてもらうよ。 幸い、今日の執務は終わってるわけだし」 加賀さんの優しさには何度も救われている。 加賀「……あまり無理をなさらないでください」 提督「……ああ」 俺は自室に向かった。 加賀「……」 ……加賀さんが後ろからこちらをじっと眺めているのも知らずに。 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 朝。 起きたら体の疲れはなくなっていた。 ……精神的な疲れは健在だが。 加賀『提督、おはようございます』 扉の向こうから加賀さんが話しかけてくる。 提督「ああ、入ってきていいよ」 加賀「では失礼します」 提督「どうぞ」 加賀「疲れはとれましたか?」 流石加賀さん。 疲れの心配をしてくれる。 提督「……ああ」 加賀「そう、ならよかったわ」 微笑む加賀さん。 あ、これレアね。 加賀「ところで提督」 提督「なに?」 ……なにか嫌な予感が……。 加賀「……『ケッコンカッコカリ』、というのはご存知かしら?」 提督「……知ってるよ」 加賀「なら話がはやいわ」 この流れは……まさか! 加賀「お願いがあります。 ……私と、ケッコンしてください」 ……はあ、やっぱり。 提督「……ごめん、加賀さん。 それはできない」 加賀「……なぜ?私では不満だというの?」 提督「ああ、いや、そういう訳じゃないんだが……」 加賀「……まだあのことを引きずっているの?」 提督「……情けない話だがな」 そう。 加賀さんは俺がケッコンしたくない理由を知っている。 俺にとっても、加賀さんにとっても辛い理由。 加賀「……ときには切り捨ても大事だわ。 忘れないことはいいことだけれど、それをいつまでも引きずるのは……」 提督「分かってる。 でも……」 加賀「……はあ。 いいわ、今はまだ返事をしなくて。 心の整理が出来たら返事をしてちょうだい」 提督「……うん。 ごめんね、加賀さん」 加賀「いいのよ、私と貴方の仲でしょう?」 ……やっぱり優しいな。 加賀「では、私はもう行きます」 提督「うん。 ……ありがとう」 加賀「……ふふ」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ こんな調子で始まった今日。 今日だけで何回告られたと思う? 妖精「6ぅ……ですかねぇ……」 心を読むのはズルいよ、きみ。 で、だれからだと思う?……心の中、見られないですかね。 妖精「大丈夫でしょ……ま、多少はね?」 ガッツリ見てるじゃねえか。 妖精「最初に加賀さん、次に不知火さん、続いて曙さん。 さらに摩耶さん、霞さん、で、さっき叢雲さんにってところですか?」 うん。 絶対見たね。 妖精「でも、提督がケッコンを断る理由だけは、全く見えません」 ……なんで? 妖精「私達は、人が絶対に知られたくない思いは知れないようになってるんです」 ……そう。 妖精「……艦娘でない私になら、教えてくれませんか?」 提督「……はぁ。 分かったよ、絶対に他の奴には話すなよ?」 妖精「はい」 ……なんか怪しいな。 提督「絶対だぞ?」 妖精「フリですか?」 提督「フリじゃねえよ!」 妖精「ほらほら、はやく教えてください」 提督「全く……」 不思議と、コイツになら話してもいい、そう思った。 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ そうだな……。 空母『赤城』って知ってるか? ……知らないのも無理はないな。 もう相当前になるもんな……。 俺と赤城は夫婦だった。 お互いを信頼しあう、いい夫婦だったと思う。 ある日、大本営から新海域のデータが届いた。 珊瑚諸島沖だ。 作戦名は、『MO作戦』。 ……赤城は鎮守府の中で唯一練度が最大に達していた。 そんな赤城が編成に入るのは、当たり前のことだった。 他には加賀さんや蒼龍や飛龍、あと舞風とかも居たか。 多少の被害を被りながらも敵のボスまで辿り着いた。 そこまでは良かったんだ。 ……装甲空母姫。 奴の攻撃で、……赤城は沈んだ。 赤城のことを知ってるのは、加賀さんに二航戦、あと舞風だけ。 他のみんなはそれより後の着任だな。 俺がケッコンしないのは、もう二度と大切な人を失いたくないから。 もう、あんな思いをしたくないから。 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 提督「こんなところだな……」 妖精「らしいですよ」 提督「え?」 金剛「テイトクにそんな過去があったトハ……」 鈴谷「へー。 私には教えなくて妖精さんには教えるんだー」 な……なんで……。 妖精「もしかして︰全体放送」 ……はぁ。 不知火「なぜ私達に相談してくださらなかったんですか」 曙「そんな大事なこと黙ってるからクソ提督なのよ!」 摩耶「もっと摩耶様に頼るべきだぜ」 うわ、不知火達まで……。 霞「いつまでナヨナヨしてんのよ!見てらんないったら!」 叢雲「情けないわね……シャキッとしなさい!」 やだ、ひどい! ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 加賀「……やっと、伝えられたようね」 蒼龍「そうですねー。 もう何年も前の話なのに、未だに引きずってたんですね」 飛龍「まぁ、提督の一番大切な人だったんだから仕方ないよ」 加賀「さて、私も行ってくるわ」 二航戦「「行ってらっしゃーい」」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 金剛「で」 鈴谷「もう皆知ってるんだから」 加賀「ケッコン」 艦娘s「「「出来るよね?」」」 提督「……だが、それは赤城を裏切ることに……」 加賀「いいえ、ならないわ」 提督「……なんで?」 加賀「赤城さんの最期の言葉、提督は知らなかったわね」 提督「……赤城の?」 加賀「確か……『提督に伝えてください。 いずれ提督のことを愛する娘が現れたら、私なんて気にせずに存分に愛してあげてください。 私からの最期のお願い、絶対に聞いてくださいね』と」 ……。 加賀「……これでもまだ諦めきれませんか?」 提督「……分かった。 赤城からの頼みだ、俺が聞かないわけないだろう」 加賀「なら……!」 提督「ああ。 俺は、ケッコンカッコカリをする」 青葉「ちなみにお相手は?」 提督「そりゃもちろん……まだ決めてない」 加賀「はぁ……。 これだから貴方という人は……」 提督「青葉」 青葉「はい?」 提督「どこから湧いてきたのか知らんが、お前には頼みがある。 お前も赤城のことは知ってるな?」 青葉「ええ、ええ、勿論ですとも!なにせ、私は司令官の初期艦なんですから!」 鈴谷「え、駆逐艦じゃないの?」 提督「ああ、大本営によると『新人提督多すぎて駆逐艦足りンゴwwww青葉で勘弁してください許してくださいなんでもしますから なんでもするとは言ってない 』らしいな」 不知火「大本営が聞いて呆れますね」 提督「すまない、話がそれた。 青葉、頼みというのはだな……」 青葉「分かってますよ、赤城さんのことについてまとめればいいんでしょ?」 提督「そうだ。 新聞にでもしてどっか貼っといてくれ。 皆が読める場所にな 」 青葉「りょーかい!」 提督「流石初期艦だな」 青葉「当然です!好きな人の考えてることなんてすぐに分かりますよ」 提督「え?」 青葉「ではまたー!」 走り去っていく青葉。 提督「……えっ?」 金剛「ぬー、さり気ないappeal……」 加賀「くっ……」 ……ま、まあ気を取り直して……。 提督「加賀さん、二航戦たちは……」 加賀「必要ないわ。 二人とも優秀な子ですから、もうケジメはついています」 提督「……そうか」 鈴谷「それよりさ!提督がケッコンを拒む理由はなくなったんだし、もうアピールしてもいいよね?」 提督「まあ、そうなるな」 日向「まあ、そうなるな」 提督「うわ、いつの間に」 日向「新人提督多すぎて駆逐艦足りンゴ」 提督「気づかなかった……」 日向「それよりも、もう事は済んだのか?演習の報告がしたいのだが……」 提督「ああ、そうか。 皆、とりあえず今日は戻ってくれ」 加賀「分かったわ」 日向「……」 ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 数日後……。 妖精「お疲れ様です」 提督「ほんとお疲れだよ……」 艦娘全員からの告白を息つく間もなく受け続け、全員分保留にさせてもらっている。 妖精「ヘタレですね」 提督「うるせえ、これでも既婚者だ」 妖精「ジュウコンされないので?」 提督「それこそ赤城にどやされる。 そんな不誠実なこと出来るか」 妖精「……まあ、焦らずじっくり考えましょう」 提督「……そうだな、ありがとう」 今更だけどこの妖精、なんか赤城に似てるような……。 妖精「……」 妖精 ……提督ったら、結局は赤城の……『私』のことばっかり 妖精赤城 まさか沈んでから妖精に生まれ変わるとは思わなかったけれど、彼の傍にいられるのならそれでもいいの…… 提督「……じゃ、俺は鈴谷たちに呼ばれてるから」 妖精赤城「ふふ、行ってらっしゃい」 提督「おう……。 またな、赤城」 妖精赤城「!」 提督「……間違えた、ごめん妖精さん。 なんか妖精さんが赤城に見えて……」 目でもおかしくなったか……?今、確かに一瞬だけ赤城が立っているように見えたんだが……。 妖精赤城「……ふふ」 妖精赤城 全く、貴方って人は…… 鈴谷「おっそーい!」 金剛「やっときたデース!」 加賀「頭に来ました」 提督「す、すまん……」 妖精赤城 ……愛してますよ、提督 艦!.

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第一次鎮守府ヤンデレ大戦

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vip2ch. 62 ID:rYGai4dD0 加賀「はい。 とは言っても、空母専用のシステムなのですが」 提督「空母専用?艦種限定とは珍しいな。 どんなものなんだ?」 加賀「まずは空母を一隻用意……今回は私にしますね」 提督「ああ、じゃあ頼もうか」 加賀「それと資材を用意、ね」 提督「資材?まあ初めてでよくわからんし適当に決めるか。 52 ID:rYGai4dD0 提督「ちょ、え!?何が!?何で!?」 加賀「あなたの子よ」サスサス 提督「ナンデ!?ニンプナンデ!?」 加賀「ケッコンカッコカリに続いてニンシンカッコカリ、だそうです」サスサス 提督「俺まだケッコンもしてないのに!」 加賀「そういえばそうでしたね」サスサス 提督「夜も共にしてない清い関係だってのに!」 加賀「処女受胎ね。 奇跡です」サスサス 提督「上は!何を!考えてるんだっ!」 加賀「あまりうるさくしないで。 34 ID:rYGai4dD0 加賀「以上がニンシンカッコカリの内容よ」 提督「待って、もうちょっと詳しく説明して……」 加賀「空母一隻が一定時間出撃不能になるかわりに、レア度の高い艦載機が開発できます」 加賀「あくまで開発の延長ね。 ニンシンの気分を味わえるだけ、だそうよ」 提督「うん、端的でわかりやすい。 提督のような素敵な方が私のような欠陥品を好きになるなんて……」 提督「……山城?」 山城「大丈夫、不幸だなんて思っていませんから。 57 ID:rYGai4dD0 提督「いよっしゃー!ロリ妊婦!ロリにん……」カチッ、カチカチッ、カチカチカチカチッ! 提督「っええい!何故だ!何故龍嬢をニンシンさせることができんのだ!?」カチカチカチカチッ! 49 ID:rYGai4dD0 鳳翔「ふふ……」サスサス 電「あれ、鳳翔さんもニンシンなのです?」 提督「ああ、そうなんだよ。 ほら、お腹が大きくなってるだろう」 電「ほえー……あれ?でもニンシンって確か……」 憲兵「Wasshoi!」ガシャーン! 電「はわっ!?憲兵さんが窓を突き破ってきたのです!?」 憲兵「ドーモ、クソ提督=サン、憲兵です」 提督「ど、どうも憲兵さん……なぜ貴様がここに!?」 憲兵「愚問だな。 部下に手を出しておきながら憲兵にしょっぴかれる理由が解らぬなどとは」 提督「こ、これはニンシンカッコカリシステムで……」 憲兵「なるほど、鳳翔=サンの艦種が何だかわからないほどに耄碌したといいたいのか。 12 ID:rYGai4dD0 憲兵「しばらく営倉行きだ。 22 ID:rYGai4dD0 提督「……で、結局ニンシンカッコカリシステムは廃止か」 加賀「残念です。 擬似的なものとはいえ、子供ができる喜びが味わえたのに」 提督「なぁ加賀、それなんだが……ニンシンカッコカリで作られるのって艦載機だけだよな?」 加賀「ええ、そうね」 提督「……お前、少なくとも数機が撃ち落されるのをわかってて、気分だけとはいえ腹を痛めて産んだ流星改を深海棲艦相手に放てるか?」 加賀「あっ……」 提督「……この流星改はしまっておこうか」 加賀「……そう、ね……」 道徳的に問題が多く、ニンシンカッコカリシステムはお蔵入りとなった。 21 ID:rYGai4dD0 また別の鎮守府 長門「うむ……」 提督「む……どうした、書類を前に難しい顔などをして」 長門「いや、以前にあったニンシンカッコカリシステムの書類を読み返していたのだが」 提督「ああ、アレか。 問題が多くて廃止されたにもかかわらず、今なお一部の艦娘や提督が復活を待ち望んでいるという」 長門「ああ。 子を産むことができるというのは、それほど魅力的なのだろうな」 提督「所詮、装備の開発に過ぎないとしてもか?」 長門「だとしても、お腹を痛めて産んだ子は愛おしいのだろうな」 提督「聞くところによると、愛おしいからこそ戦場で使うのを躊躇う者まで出たそうだな。 72 ID:jAoX7iBY0 長門「駆逐艦を産めばいいと思う」 提督「……」 長門「うむ、いや、それがいいな。 母娘揃って出撃などすれば戦意も高翌揚するというものだ」 提督「長門、長門」 長門「『ママといっしょにパパのお手伝いをしような』と言うと無垢な顔で『うん!』と返してきたりな。 かわいいものじゃないか。 間違いなく私の戦意は高翌揚するな、いやこの可愛さならまわりも……」 提督「落ち着け長門。 30 ID:jAoX7iBY0 なお、 ニンシンカッコガチを行い自ら解体を希望、普通の女の子に戻って提督とケッコンカッコガチした艦娘が大量に発生し国の戦力が大幅に低下したことが 最も深い爪痕だったという…… おわり.

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