我々 だ 小説 ゾム。 ちゃっかり生まれた恋心【○○の主役は我々だ!】

ちゃっかり生まれた恋心【○○の主役は我々だ!】

我々 だ 小説 ゾム

ご本人様たちとは一切関係ありません。 お名前は省略させていただきます。 かなり雑です。 見ずらいです。 軍パロ、年齢操作ございます。 鬱先生と言う名前を知らない設定でございます!!! それでもええよって方はお読み下さい。 「ワンワン」 「んー?どうしたー?イフリート」 いつもの様に愛犬のイフリートと戯れていると 「ねね、前から思ってたんだけどさ、ゾムってなんでそんなに強いん?」 「うぇ?」 唐突な質問に変な声がでてしまった。 「確かに俺も気になるわー」 「やろ?」 「なんやねんお前らww」 「で?なんでそんな強いん?」 まぁ思い当ふしはあったりする。 「んー?昔、戦闘の仕方を教えて貰ったことがあるぐらいやな」 「へーどんな人なん?」 少し考え込んで俺は自分の昔話をすることになった まだ幼い頃の話。 俺が住んでいた所はあまりいいような場所ではなかった。 それに親は居らず一人で生きていくのも大変な毎日だった。 あるときは店から食べ物を盗んだり、人から財布を奪ったりだとか色々なことをしていた。 だから逃げる為に足が速くなったと思うw いつもの様にナイフを使う練習をしていると 俺の前にある人が現れた。 見たところあまり年齢は変わらないようであったが、服装はその歳には合わないようなヨレヨレのスーツに赤いネクタイというまるで会社に務めているようなものだった。 「そこの君何しとんの?」 「...... 」 「ちょっ黙らんといてや、怪しい人ではないで」 「...... ナイフ使う練習... 」 「そうやんな、ねぇ君そのナイフ一瞬でいいから貸してくれへん?」 「... どうぞ」 するとその人はナイフを手に取ったと思ったら一瞬で後ろに周りこみ俺の首元にナイフを当ててきた。 動きが全く見えなかった。 なーんてなw冗談やで」 その動きに恐れているはずなのに俺の胸は高鳴っているようなきがした。 あの」 「ん?どした?」 「なぁなぁ!!さっきの動きどうやったん?すごい速くて何も見えんかった!!!」 「... wwwすごいなぁ怖がらないなんてw」 「なんや?可笑しいん?」 「いやなんでもwせやったらナイフの使い方教えてやろうか?」 「!!いいんか?」 「ええよ、君名前は?」 「ゾムです!あんたは?」 「んーそうだね鬱先生とでも呼んで貰おうかな?」 それから俺はその鬱先生にナイフの使い方や戦争の仕方、色々と戦闘に関することを教えて貰った。 鬱先生が教えてくれるものはとても楽しかった。 鬱先生も楽しそうだった。 彼がある時犬を連れてきた。 真っ白な犬。 名前はイフリートと名ずけた。 俺が1人で寂しくないようにと。 彼はなんでも出来ていた。 頭も良く、運動能力も高かった。 完璧な人間だった。 いつしか彼は俺の憧れの存在となっていた。 俺はいつも彼がくるのを楽しみに待っていた。 ある日のことだった。 いつもの様に俺の家のドアがコンコンっと音が鳴った。 彼が来たと思ったのだ。 いざドアを開けてみると彼ではなく、そこには3人ほど見知らぬ男が立っていた。 ドアの向こうにはイフリートが血を流し倒れていた。 俺は怒りに身を任せナイフを抜いた。 だがまだ未熟な自分ではナイフを持っていたところで勝ち目はなかった。 必死に立ち向かったが歯が立たない。 殴られ、蹴られ痛みに耐えていると、急に男達が倒れ始めたのだ。 何事かと顔を上げてみると、いつも見ていた彼が3人の男を一瞬で倒していた。 その目はいつもの優しいものではなくとても冷酷なものとなっていた。 「大丈夫か?ゾム?イフリート」 俺と目が会い心配して駆け寄ってきてくれた。 彼の目はいつもの様に優しくなっていた。 ッ」 「ゾム、あんま動かんほうがええで、冷やす物持ってくるわ。 」 俺は安心したのかその場で倒れてしまった。 後頭部の痛みに目を覚ますといつのまにやら朝になっていた。 いつものベットでイフリートと一緒に眠っていたようだ。 イフリートの傷も手当されている。 彼がやってくれたのだろう。 ゆっくり体を起こしていると机の上に小さなメモが置いてあった。 『ごめんな、もうゾムの所には行けそうにないわ。 イフリートのこと頼んだで。 あと、ナイフの使い方上手くなったな。 これからも頑張れよ。 ありがとうな』 それから俺は誰にも負けない様にと訓練を続けていった。 また彼に会えるように。 その腕の強さを買われいまここの我々だにいるというわけだ。 「へーそうやったんや... 」 「そうやで、なーイフリート!」 「ワンワン!!」 「なぁなぁその彼とは会えたん?」 「さぁ?」 「さぁ?ってなんやねん!!」 「あっ」 「あ?どうした?ゾム」 「せやった俺大先生に届けるものがあったんや!」 「おっそうなん?俺シッマとまだ訓練しとくからはよ行ってきーや」 「おう、ありがとな行ってくるわ!」 コンコン 「は〜い」 「大先生ーーお届け物やでー」 「おん?ゾムかありがとなぁとイフリートもナデナデ」 「フスン」 「次の戦争の資料かぁ... またガバってトン氏に怒られそうやなw」 「... 大先生いや鬱先生」 「... なんや急に?」 「... 」 俺は知っている。 本当は彼が有能なこと。 だけど、今は我々だで無能な大先生を演じている。 きっとこのまま続けていくのだろう。 だけどそんな無能だけど俺の憧れの存在なのだ。 [newpage] おまけ 「ねねシャオロン」 「お?なんや」 「さっきのゾムの話で出た鬱先生って人あのガバの天才大先生じゃないよな」 「wwwんなわけないやろw大先生がゾムに戦術教えるとかww無理やろw」 「だよなwwww」 終わりです!!!雑な文章ですみません!!! これからもどんどん投稿していきたいと思ってるのでぜひぜひ見てください(土下座) ここまで見てくださり有難う御座いました!.

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我々 だ 小説 ゾム

・口調キャラ等がおかしいかもしれない、すみません。 ・誤字脱字、なんかおかしくね?というところを発見された方はよろしければコメントで教えてください! ・何か問題があればこれもコメントで教えてください。 以上がご理解いただけた方はどうぞ [newpage] 「ケホッ、これは風邪かなぁ…」 昨日まではだるいなと思っていただけだったが、朝起きると頭痛が酷く、おでこに手を当ててみれば熱っぽい。 これはしっかり風邪をひいたようだ。 しかし今日は暗殺の任務があるから休むわけにもいかない。 だったら、 「バレへんようにせんとな」 しんどい身体を起こして服を着る。 いつものフードは顔をあまり見られないよう、さらに深く被る。 食欲はわかないが、何も腹に入れずに任務に行くわけにもいかないので、食堂に向かう。 今はいつもの昼食より少し遅い時間だから、人は少ないだろう。 普段は寂しがるところだが、今回ばかりは助かった。 なんてほっとしたのも束の間、食堂に入ってみればコネシマとシャオロンと大先生がいた。 「なんで今日に限って…」 「あ、ゾムやんか!今日は遅いねんな!」 「食害せんかったら一緒に食べようや!」 いつも通りうるさい声は頭にガンガン響く。 しんどい。 そのまま軽く挨拶してご飯を取り、今はなるべくコネシマ達から離れようと、その向かい側の大先生の隣に座った。 「どしたんゾムさん、なんかいつもより量少なない?」 「え、あぁ、今そこまで腹減ってないねん」 「ふーん、ゾムが珍しいな!」 「お望みやったら食害してやってもええで?」 「いやぁそれやったらシャオロンに」 「あぁ?!なんやコネシマやるんか」 ここで内ゲバが起こされそうになったところを大先生の犠牲でとどめた。 その間にさっさと食べてしまい、すぐに退室しようとする。 「あ、ゾム!これから手合わせせんか?!」 「いや、俺これから任務あるねん。 また今度な」 「そっかーゾムさん、気をつけてな」 「おん、大先生も書類がんばれよ」 大先生にバレそうになったかひやひやしたが、あの様子だと気づいてはいないみたいだ。 危なかった。 コネシマとシャオロンも妙に感の良いときがあるから侮れない。 この後任務があって本当によかったと思ってる。 しかし、この調子で任務に行って大丈夫だろうか。 ちゃんと成功するだろうか。 そんな不安もあるが、俺以外にやれる人もいない以上皆に迷惑をかけたくはない。 失敗もできない。 何しとん?」 「これから任務に行こうと思ってん」 「あぁ、確かy国での暗殺だったか。 あそこ最近警備が強化されてるって聞いたで。 気をつけてな」 「そうだゾム、帰ったらオスマンと深夜のお茶会でもしないか?」 「お、ええなグルッペン。 半日で帰れるやろうし、分かったわ」 「いや、グルさんあんたまだ仕事あるやろ」 「…トントンもどうだ?オスマンから新しい菓子が入ったと聞いているゾ。 休憩も兼ねて来ないか?」 「ハァ…まぁええけど、終わったらちゃんと仕事せぇよ」 正直グルッペンとトントンとオスマンとのお茶会はまずい。 なぜなら自分の身体の不調がバレてしまう可能性が高いから。 この2人に今気づかれていないのも、目の下の隈から察するに寝ていないのだろう。 だから色々と鈍くなっているだけで、普通なら出会った時点で即ペ神のもとへ連行される。 しっかり寝てほしいところではあるが、助かった。 「仕事もお茶会もええけど、ちゃんと寝ぇよ」 「あぁ、だから今から仮眠取ろうとしてんねん。 ってゾムも引き留めて悪いな、任務気を付けてな」 「油断するんじゃないぞ」 「おん、じゃあな」 ヒラヒラと手を振る俺は2人がフラフラと仮眠室へ歩いていくのを見送った後、任務準備のため、自室へ足を向けた。 2人は一体何徹目なのか…俺も夜は風邪を治すために寝ておきたいので、申し訳ないがお茶会は疲れたと言って抜けよう。 自室へ戻ろうと歩く間に、自分の体調を確認する。 喉はピリピリとして痛いし、頭痛もさらに酷くなっていて、正直立っているのもつらいほどではある。 しかしこんなもの仕事を休んでいい理由にはならない。 なんせ迷惑がかかるのに、みんなも訓練とか書類とか頑張っているなか、自分だけ休むわけにはいかないと、そう考えていた。 ふと、後ろから声をかけられる。 「ゾムさん、何してるんすか?」 「うお!ショッピ君か…」 考え事をしていて気がつかなかった。 彼の手にはよく分からないが、何やら面白そうなものが握られている。 「ショッピ君こそどうしたん?」 「あの、もし暇だったら一緒にコネシマさんに殺りにいきません?」 そのための道具だったのか。 俺でも見たことないそれにものすごく興味はわいたが。 「あ~俺これから任務に行かなあかんねん。 めっちゃ面白そうやけど、ごめんな」 「いえ、大丈夫です。 引き留めてすいません。 頑張ってくださいね」 「ありがとな。 あ、シッマさっきまで食堂におったで。 シャオロンもおったし協力してもらいな!」 「良い情報ありがとうございます!また今度ツーマンセルでやりましょう」 「…ゴホッ!…あっぶな…」 ショッピ君が見えなくなったことを確認すると、俺は激しく咳き込む。 実は先ほどから我慢していて、あと少しでバレるところだった。 一応痛み止めを飲んだ方がいいかと、せっせと自室に戻ってペ神からもらった医療パックを漁る。 薬はすぐに見つかり、ついでに頭痛薬も口に放りこんで水で流し込めば、y国に向かう途中ぐらいで効き目が出ているだろう。 なるべく軽くしようと、必要最低限のナイフと銃を持ってロボロに連絡する。 「ロボロ、聞こえる?」 「聞こえとるよ、インカムに異常は無いな。 よし、今から案内するわ」 「ん、よろしくな!」 今回は近いので、足での移動になる。 さっき痛み止めを飲んだおかげで咳は出なくなっていた。 相変わらず頭痛はあるがそれも薬が効いたのだろう、幾分かはマシになっている。 ロボロにバレる心配はないなと安堵していると、連絡が来た。 「ゾム、そっからy国の基地まで全然電波が通らないねん。 なんでかは分からんけど、気をつけてな」 「了解や、地図も頭に叩き込んだし大丈夫やで!」 「そうやな、ゾムは強いからな!じゃあまた終わって通じるようになったら連絡して」 「分かった」 そこからy国の基地内部まであっさりと潜入でき、ターゲットを見つけることができた。 グルッペンが言っていた警備の強化を本当にしているのだろうか、と疑うくらいガバガバで、二人のうち一人のターゲットを暗殺できた。 この調子だと何事もなく済みそうだ。 [newpage] 「ゲホッ!ケホッ…クッソ…」 ガバってしまった。 森の中をひたすら走り、息も上がっている。 トントンにはなんて言い訳しよう。 数十分前、2人目のターゲットも無事殺し、あとは脱出しようと出口に進んでいた時、咳止めの薬がきれたのか喉の痛みが増し、咳が出てしまう。 それを運悪く敵兵に聞かれてしまい、必死にここまで逃げてきたのだ。 いつもなら敵に見つかってもむしろこちらから戦いたいと言わんばかりにボコボコにして帰るのだが、調子が悪くナイフを振るうこともきついので、対戦しようとも思わず。 恐らく追手も来ているだろう。 そう言えば忘れていた。 自分は薬の耐性が強いことを。 「これ完全にひどくなってんなぁ…」 額に手を当ててみると朝よりも熱かった。 頭もガンガンと痛みで意識が飛びそうだ。 逃げるために少しの戦闘もしたが、それでの疲労もあり、走るのもきつかった。 でも、基地に戻って報告はしないといけない。 もしかしたら、みんなが心配してくれているかもしれない。 早く、早く帰ろう。 ************ 「ハーハー、ゲホッ…見えた…」 どれくらい走っただろうか。 目の前の基地が見え、安堵する。 いつの間にか追手の気配は消えていた。 インカムは敵から逃げている最中に落としてしまい、ロボロに連絡できていない。 向こうはインカムに異常があれば気付くはずだから、また迷惑をかけてるかな、と思ってしまう。 「ゲホッ!ゴホッ!…ハッ、ヒュー…」 咳はほとんど止まらず、ヒューヒューと息苦しい。 時々自分の体を触ってみるとものすごく熱い。 なのに寒気はするのだからよくわからない。 自分の身体なのにな。 全ての力を振り絞り、やっとの思いで基地までたどり着き、中に入る。 よかった、これで。 「あ」 力が抜けたと思ったら、膝から崩れ落ち、気がつけば地面に突っ伏していた。 帰ってこれて、安心したんやろうか。 こんなところで倒れても邪魔になってしまうだけやのに… 困らせてしまうのは嫌や。 捨てられてしまう。 なのに身体は起き上がろうとせず、酸素を求めようと喉に手を当てる。 息苦しい。 つらい。 何かが頬をつたう。 昔を思い出してしまう。 身体が弱れば、精神も弱るとは本当だったんだな。 あのころのことなんか、思い出したくもないのに。 「ゲホッゲホッ!!ヒュッ…ゴホッ!…捨て…ないで…」 もうあんな思いはしたくない。 仲間ともっと一緒にいたいから。 「ーーっ!?ーーー!」 「--!!」 何か、聞こえる。 ドタドタと足音のようなものや、聞き取れないが大声も。 誰だろう。 でも目は開けようと思っても、次第に前は暗くなり、 ふっと意識が落ちた。 [newpage] トントンside ロボロからゾムのインカムが壊れたと報告してきたのが数時間前。 情報が集まらず幹部で作戦会議を始めたのが1時間前。 どうするかと煮詰まっていた。 「みんな!!ゾムが帰ってきた!!」 インカムからロボロの大声が響く。 幹部全員が椅子から勢いよく立ち上がり、一斉に会議室を出る。 いつもなら走るなと注意するがそんな余裕もなく、俺も走り出す。 ロボロが言うに、基地の入口にいる。 時々すれ違う兵士たちが毎度驚いた顔をしていた。 それもそうだろう、幹部のほぼ全員が全速力で横切られては、驚きぐらいはする。 でもそんなことを俺達が考える暇なんてなくて、夢中で走っていた。 「ゾムッ!!!!」 早く降りたグルッペンの声がした。 1階まで降り、すぐに入口まで向かうと、そこにはゾムがいた。 でも倒れているその状態は非常に良いなんて言えるものではなくて、全員がゾムのもとに駆け寄る。 顔は赤く呼吸は荒い。 とても苦しそうで、頭と胸を押さえている。 風邪?風邪にしては、ここまで酷いか? 「ゾム!ゾム!苦しいんか?!」 「ゾム、大丈夫か?意識ある?」 誰が何度呼びかけても反応せず、ただ息苦しそうな呼吸を続けているだけだった。 これはすぐにペ神のところに行かないと。 「シッマペ神に伝えといてくれ、俺がゾムを医務室まで連れてくわ!」 「分かった!」 コネシマがすぐさま走る。 俺はゾムをそっとおぶって医務室に向かう。 グルッペンは、頼んだぞと俺に向かって呟くと、未だ混乱中の幹部たちに声をかけていった。 そんな光景を見つつ、あまり揺らさないよう慎重に、けど全力で走る。 俺だって内心かなり焦っているのだ。 連絡が途絶えたと思ったら帰ってきてそれなのに弱々しく倒れている場面を見てうろたえない方がおかしい。 でも、自分が混乱していては、かえってゾムの容体を悪くしてしまうからと冷静を装った。 「ハァ…ヒュー、ウッ」 急がなければとスピードを上げれば、医務室の前に来た。 「ペ神!ゾム連れてきたで!」 「コネシマから聞いたよ、トントンはゾムをベッドに寝かせて、熱計ってくれる?」 「分かった」 ペ神に言われた通りゾムをベッドに寝かせ、脇へ体温計を突っ込む。 コネシマは皆に報告してくると出ていき、俺は顔色をうかがうと先程よりも青白い。 俺は苦い顔をして目にかかっている前髪をさらりと掻き分けた。 しばらくするとピピピ、と電子音が鳴り響き、体温計を手に取る。 出てきた数字を見てみれば39.5度。 こんな数値はこの軍に来てからあまり見たことないほどに高かった。 「ペ神!ペ神!熱39.5度なんやけど!これやばない?!」 「ちょっと待って」 ペ神がゾムに近付き、呼吸だったり何だったりと確かめる。 俺はそれをただ隣で黙って見ているだけだった。 それがなんとも歯痒い。 「熱が39度…呼吸音もおかしい……まずい、肺炎おこしてる…」 「肺炎?!」 「ゾムのことだから、前から体調が悪いこと隠してたんだろうね」 だとすれば、任務に行く前から既に無理をしていたのか…徹夜していたとはいえ出会ったにも関わらず、気付けなかったことが悔しかった。 あの時自分が気付いていれば、こんなことにはならなかったんだ。 ふつふつ自分への恨みが募っていく。 「トントン一人が気を負うことはないよ。 無理をして隠したゾムも、朝にチェックしなかった俺も反省しないといけないからね。 でも今は、ゾムの治療が先だから、手伝ってくれない?」 ペ神の言葉に、心の中を見透かされたような気がした。 でもそのおかげで今、自分を責めている場合じゃないと気付き、今やらなければいけないことがはっきりと分かった。 「もちろん手伝う。 ……ありがとな、ペ神」 「…なんのことかなぁ?」 [newpage] 「…また失敗したのか! この役立たずが!」 そう言って、父に足で蹴られる。 「いっ!……ごめん、なさい」 「あんたを育てて私たちの良い道具にしてやるつもりなのに、こんなところでつまずいてるの?!」 そう言いながら、母に火のついたタバコをぐりぐりと手に押し付けられる。 「うぁ、つぎは、せいこうさせます…」 「もういい、売るぞ」 「そうね、使えないし。 また新しいの買いましょう」 その会話を、痛みに耐えながら聞いていた。 「ごめん、なさい。 ごめんなさい。 すてないで、もっといいこにするから…」 「任務に失敗しただと?!折檻部屋行きだ。 …折角高い値で買ってやって食事もさせているというのに、反省しろ」 そう言って放り込まれた部屋で、人体実験や水責めなど、たくさん痛めつけられた。 「痛い、いたい、やめて。 やだ…」 「クソォ!wrwr国め…お前が来てから、全て私の思わぬことばかり起こる!戦うことしかできない化け物が…お前は基地に潜り込んで総統を殺して来い! これは命令だ……お前はいらない」 そう言うと王は兵士に命令して、ナイフと銃と地図だけを持たせて外に出された。 「お前の国の王が、どうやら国を捨て逃げたらしい。 その様子では、お前は捨て駒として使われたようだな」 この基地の総統は、ナイフを向けられた今でも笑っている。 どうやら俺がここに来るのは知っていたようだ。 そしてなぜだか、この人を殺す気になれない。 それよりも、今この人が言った。 俺の飼い主が逃げた。 俺を遠くへ置いてどこかへ。 なんで、なんで、 「…なぁ、おれ、すてられたん?………いやや、痛みにも耐えたのに、ずっと我慢してきたのに、なんでや?………捨てないで…」 敵の前なのに、こぼれてしまった言葉を最後に、目の前が真っ暗になった。 [newpage] 「……!ーーっ!」 「………ん…」 目が覚めて、まだ視界がぼんやりとした中見たのは、真っ白な天井と大先生の顔。 焦っているようだったが、すぐに安堵の表情を見せた。 「ゾムさん気がついた?良かった~心配したんやで?」 意識がはっきりとしてきて、周りを確認すれば、どうやらここは医務室のようだ。 自分の腕には点滴であろう細い管が伸びていた。 どうすればいいのか分からず黙っていると、大先生から色々と聞かされた。 自分で基地まで帰ってきたこと、肺炎になったこと、みんなが心配していたこと。 「あとゾムさん、なんかさっき魘されとったけど大丈夫?」 「…ぁ、だいじょう」 「あ、ごめんゾムさん、ペ神から声出さないように言われとったんやった。 んーと、これ使い。 あと起こすの手伝うわ」 ゆっくりとではあるが、身体を起こしてもらい、渡されたのはペンと少し大きめのメモ帳。 別に話したいことでもないが、このままでは不審がられると思い少し慣れない手つきで書く。 『だいじょうぶ、わるいゆめを見ただけ』 「悪い夢?ていうかゾムさんって字書けたんやな」 どういうことや、酷くね? 「ゾムっ!!」 勢いよくドアが開いたかと思えば、大声で自分の名を呼ぶグルッペンがそこにいた。 グルッペンだけじゃない、後ろには幹部全員がいて、みんな中に入ろうと押し合っている。 『なんでみんな来たん?』 「え、あぁ…しゃべれへんのか。 そりゃあ倒れた人が起きたら誰だって来るわ!…心配したんやで」 「そうや!帰ってきて倒れとるんで?!びびったわ!」 「うるさいっすよクソ先輩、ここ医務室なんですから」 心配してくれていると知って少し恥ずかしい気持ちになったが、そう思ったのも束の間、みんなが忙しい時期にあらぬ心配をかけさせてしまったと不安になる。 下を向いているとグルッペンが俺の前に立つ。 その表情は少し怒っているようだ。 「ペ神から聞いた。 どうやら前から体調が悪かったらしいな。 なぜなにも言わなかった」 『めいわくになるとおもって』 「「「ハア?!」」」 幹部全員が急に大声をあげた。 その声にびっくりして思わず顔を上げた。 「誰も迷惑なんて思ってないで!むしと言ってくれんと心配するんやから!」 「珍しく心あることいいますねクソ先輩」 「なんやと?!」 「でもコネシマの言う通りや」 「そうやでゾム!お前のインカム壊れたときめっちゃ焦ったんやからな!」 「あんときのロボロやばかったな」 「そういう大先生は情報集めてるときめっちゃ怖かったで」 いつもどおりの皆で、気を遣ってくれているのだろうか色々と言ってくれる。 でもさっきの夢が、過去がちらついて頭から離れない。 「…で、も」 「ゾムさん!あんましゃべらん方が……」 「でも、たいちょうわるかった、のも、俺のせいやし…それに任務も、しっぱいしたし……あ、ごめ、なさい、すてないでください」 フードがないから、かけていた布団で顔を隠す。 みんなの顔を見ることが怖い。 さっきの雰囲気でもやはり不安は拭いきれなくて。 「つぎは、失敗しませんから、まだ、ここにいさせ」 言葉の続きは、暖かい何かに包まれて遮られる。 「…グル、ペン?」 気付けばグルッペンの腕の中だった。 どうやら抱きしめられているようで、俺はその行動に疑問しか浮かばなかった。 でもそのグルッペンは少し震えていて、返す言葉も見つからない。 そこでグルッペンが口を開いた。 「そんな失敗したからといって捨てるわけがないだろう?体調が悪いならそう言ってくれ。 怪我をしたなら医務室に行かずとも誰かに伝えろ。 頼むから、無理をしないでくれ。 お前が倒れて帰ってきたとき、本当に、怖かった。 あんな思いはもうしたくない」 ぐずぐずとグルッペンらしくない声ではなされて、泣いているのだと分かった。 それだけじゃない。 急に前が暗くなったと思ったら、みんなが俺に抱きついていて。 「おれ、ここ、おっても、、ええん?」 「「「当たり前やろ!!」」」 揃った声を聞いて俺ははじめて声を上げて泣いた。 いたいと言って泣いていたあの時とは違う、安心してポカポカしたような感覚は、俺が泣き止むまでずっと続いていた。 「よかった、目が覚めたんやねゾム」 声のするほうを一斉に向くと、そこには少し汗を流したペ神がいた。 「ペ神、はよゾム見てやってくれ」 「はいはい、さぁみんなは一回出てね」 「え、俺はここに「添い寝してほしいの?」よーしみんな、一旦ここを出るぞ!」 ペ神の一言ですぐさまこの場を立ち去るのがおかしくて、つい笑ってしまう。 「もうゾム、無理したらだめだよ?みんなゾムが起きるまで全然仕事に集中してなかったからね、そんだけ心配してたんだよ」 そうなんや、さらに迷惑かけてしま「迷惑かけたなんて思わないでね?」 バッと顔を上げてペ神を見る。 なんで分かったんや、怖っ。 「今ゾムが考えてることくらい分かるよ。 それより、これから2週間は絶対安静だからね?当分食べるものも肉とかは控えてもらうから。 もちろん内ゲバも悪戯もなし」 「え、」 せめて食べるものだけでも、と意見を言おうとしたが、ペ神の有無を言わさぬ顔に黙って聞くしかなかった。 「黙ってた罰だね。 そのぶんみんなに構い倒されるといいよ」 診察が終われば、みんなが入ってきた。 医務室だと言うのに騒がしく、毎度ペ神の注意で静まるが、やはりそう簡単に黙るなんてできる訳がない。 そんな騒がしさがここに帰ってきたと安心できて嬉しかった。 「ありがとな」 小声で発した言葉に、気付く者はいない。 [newpage] ***************** 「監視カメラに写ってたんやけど、ゾムが意識失う直前に何か喋ってたんや。 起きた後も似たようなこと言ってたから、多分過去になんかあったんやろうな」 「そういえばトン氏、ゾムが俺を暗殺しに来た時も同じようなことを言っていたな」 「…ゾムの前居った国、あそこは昔よく子供を買っては捨ててるって言うてたなぁ…確か王は逃げ出したんやったな。 大先生、探し出せるか?」 「当たり前やろ、すぐに見つけたるわ」 「頼んだぞ。 他はすぐに動けるように準備などをしておくといいぞ」 「よっしゃ!肩慣らしにシャオロンと勝負や!」 「どうせお前負けるやん。 大人しく武器の手入れしとけや」 「なんや、怖いんか?!」 「上等やボコボコにするからな!」 「さて、爆弾どのくらい持っていきましょうか…」 「エミさんも出るんすか?」 「当然でしょう、こんなことで怒らない人がいますか?」 「そっすね」 「マンちゃんも出るの?」 「当たり前めう~、めちゃくちゃ怒っとるやろ?ひとらんも」 「うん、久々だよこんな怒りは。 がんばろう」 「…大事な仲間を傷つけていたんだ。 俺も出ていいか?トン氏」 「ハイハイ、どうせ何言っても聞かんのやろ。 今回は許しますよ」.

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我々 だ 小説 ゾム

・口調キャラ等がおかしいかもしれない、すみません。 ・誤字脱字、なんかおかしくね?というところを発見された方はよろしければコメントで教えてください! ・何か問題があればこれもコメントで教えてください。 以上がご理解いただけた方はどうぞ [newpage] 「ケホッ、これは風邪かなぁ…」 昨日まではだるいなと思っていただけだったが、朝起きると頭痛が酷く、おでこに手を当ててみれば熱っぽい。 これはしっかり風邪をひいたようだ。 しかし今日は暗殺の任務があるから休むわけにもいかない。 だったら、 「バレへんようにせんとな」 しんどい身体を起こして服を着る。 いつものフードは顔をあまり見られないよう、さらに深く被る。 食欲はわかないが、何も腹に入れずに任務に行くわけにもいかないので、食堂に向かう。 今はいつもの昼食より少し遅い時間だから、人は少ないだろう。 普段は寂しがるところだが、今回ばかりは助かった。 なんてほっとしたのも束の間、食堂に入ってみればコネシマとシャオロンと大先生がいた。 「なんで今日に限って…」 「あ、ゾムやんか!今日は遅いねんな!」 「食害せんかったら一緒に食べようや!」 いつも通りうるさい声は頭にガンガン響く。 しんどい。 そのまま軽く挨拶してご飯を取り、今はなるべくコネシマ達から離れようと、その向かい側の大先生の隣に座った。 「どしたんゾムさん、なんかいつもより量少なない?」 「え、あぁ、今そこまで腹減ってないねん」 「ふーん、ゾムが珍しいな!」 「お望みやったら食害してやってもええで?」 「いやぁそれやったらシャオロンに」 「あぁ?!なんやコネシマやるんか」 ここで内ゲバが起こされそうになったところを大先生の犠牲でとどめた。 その間にさっさと食べてしまい、すぐに退室しようとする。 「あ、ゾム!これから手合わせせんか?!」 「いや、俺これから任務あるねん。 また今度な」 「そっかーゾムさん、気をつけてな」 「おん、大先生も書類がんばれよ」 大先生にバレそうになったかひやひやしたが、あの様子だと気づいてはいないみたいだ。 危なかった。 コネシマとシャオロンも妙に感の良いときがあるから侮れない。 この後任務があって本当によかったと思ってる。 しかし、この調子で任務に行って大丈夫だろうか。 ちゃんと成功するだろうか。 そんな不安もあるが、俺以外にやれる人もいない以上皆に迷惑をかけたくはない。 失敗もできない。 何しとん?」 「これから任務に行こうと思ってん」 「あぁ、確かy国での暗殺だったか。 あそこ最近警備が強化されてるって聞いたで。 気をつけてな」 「そうだゾム、帰ったらオスマンと深夜のお茶会でもしないか?」 「お、ええなグルッペン。 半日で帰れるやろうし、分かったわ」 「いや、グルさんあんたまだ仕事あるやろ」 「…トントンもどうだ?オスマンから新しい菓子が入ったと聞いているゾ。 休憩も兼ねて来ないか?」 「ハァ…まぁええけど、終わったらちゃんと仕事せぇよ」 正直グルッペンとトントンとオスマンとのお茶会はまずい。 なぜなら自分の身体の不調がバレてしまう可能性が高いから。 この2人に今気づかれていないのも、目の下の隈から察するに寝ていないのだろう。 だから色々と鈍くなっているだけで、普通なら出会った時点で即ペ神のもとへ連行される。 しっかり寝てほしいところではあるが、助かった。 「仕事もお茶会もええけど、ちゃんと寝ぇよ」 「あぁ、だから今から仮眠取ろうとしてんねん。 ってゾムも引き留めて悪いな、任務気を付けてな」 「油断するんじゃないぞ」 「おん、じゃあな」 ヒラヒラと手を振る俺は2人がフラフラと仮眠室へ歩いていくのを見送った後、任務準備のため、自室へ足を向けた。 2人は一体何徹目なのか…俺も夜は風邪を治すために寝ておきたいので、申し訳ないがお茶会は疲れたと言って抜けよう。 自室へ戻ろうと歩く間に、自分の体調を確認する。 喉はピリピリとして痛いし、頭痛もさらに酷くなっていて、正直立っているのもつらいほどではある。 しかしこんなもの仕事を休んでいい理由にはならない。 なんせ迷惑がかかるのに、みんなも訓練とか書類とか頑張っているなか、自分だけ休むわけにはいかないと、そう考えていた。 ふと、後ろから声をかけられる。 「ゾムさん、何してるんすか?」 「うお!ショッピ君か…」 考え事をしていて気がつかなかった。 彼の手にはよく分からないが、何やら面白そうなものが握られている。 「ショッピ君こそどうしたん?」 「あの、もし暇だったら一緒にコネシマさんに殺りにいきません?」 そのための道具だったのか。 俺でも見たことないそれにものすごく興味はわいたが。 「あ~俺これから任務に行かなあかんねん。 めっちゃ面白そうやけど、ごめんな」 「いえ、大丈夫です。 引き留めてすいません。 頑張ってくださいね」 「ありがとな。 あ、シッマさっきまで食堂におったで。 シャオロンもおったし協力してもらいな!」 「良い情報ありがとうございます!また今度ツーマンセルでやりましょう」 「…ゴホッ!…あっぶな…」 ショッピ君が見えなくなったことを確認すると、俺は激しく咳き込む。 実は先ほどから我慢していて、あと少しでバレるところだった。 一応痛み止めを飲んだ方がいいかと、せっせと自室に戻ってペ神からもらった医療パックを漁る。 薬はすぐに見つかり、ついでに頭痛薬も口に放りこんで水で流し込めば、y国に向かう途中ぐらいで効き目が出ているだろう。 なるべく軽くしようと、必要最低限のナイフと銃を持ってロボロに連絡する。 「ロボロ、聞こえる?」 「聞こえとるよ、インカムに異常は無いな。 よし、今から案内するわ」 「ん、よろしくな!」 今回は近いので、足での移動になる。 さっき痛み止めを飲んだおかげで咳は出なくなっていた。 相変わらず頭痛はあるがそれも薬が効いたのだろう、幾分かはマシになっている。 ロボロにバレる心配はないなと安堵していると、連絡が来た。 「ゾム、そっからy国の基地まで全然電波が通らないねん。 なんでかは分からんけど、気をつけてな」 「了解や、地図も頭に叩き込んだし大丈夫やで!」 「そうやな、ゾムは強いからな!じゃあまた終わって通じるようになったら連絡して」 「分かった」 そこからy国の基地内部まであっさりと潜入でき、ターゲットを見つけることができた。 グルッペンが言っていた警備の強化を本当にしているのだろうか、と疑うくらいガバガバで、二人のうち一人のターゲットを暗殺できた。 この調子だと何事もなく済みそうだ。 [newpage] 「ゲホッ!ケホッ…クッソ…」 ガバってしまった。 森の中をひたすら走り、息も上がっている。 トントンにはなんて言い訳しよう。 数十分前、2人目のターゲットも無事殺し、あとは脱出しようと出口に進んでいた時、咳止めの薬がきれたのか喉の痛みが増し、咳が出てしまう。 それを運悪く敵兵に聞かれてしまい、必死にここまで逃げてきたのだ。 いつもなら敵に見つかってもむしろこちらから戦いたいと言わんばかりにボコボコにして帰るのだが、調子が悪くナイフを振るうこともきついので、対戦しようとも思わず。 恐らく追手も来ているだろう。 そう言えば忘れていた。 自分は薬の耐性が強いことを。 「これ完全にひどくなってんなぁ…」 額に手を当ててみると朝よりも熱かった。 頭もガンガンと痛みで意識が飛びそうだ。 逃げるために少しの戦闘もしたが、それでの疲労もあり、走るのもきつかった。 でも、基地に戻って報告はしないといけない。 もしかしたら、みんなが心配してくれているかもしれない。 早く、早く帰ろう。 ************ 「ハーハー、ゲホッ…見えた…」 どれくらい走っただろうか。 目の前の基地が見え、安堵する。 いつの間にか追手の気配は消えていた。 インカムは敵から逃げている最中に落としてしまい、ロボロに連絡できていない。 向こうはインカムに異常があれば気付くはずだから、また迷惑をかけてるかな、と思ってしまう。 「ゲホッ!ゴホッ!…ハッ、ヒュー…」 咳はほとんど止まらず、ヒューヒューと息苦しい。 時々自分の体を触ってみるとものすごく熱い。 なのに寒気はするのだからよくわからない。 自分の身体なのにな。 全ての力を振り絞り、やっとの思いで基地までたどり着き、中に入る。 よかった、これで。 「あ」 力が抜けたと思ったら、膝から崩れ落ち、気がつけば地面に突っ伏していた。 帰ってこれて、安心したんやろうか。 こんなところで倒れても邪魔になってしまうだけやのに… 困らせてしまうのは嫌や。 捨てられてしまう。 なのに身体は起き上がろうとせず、酸素を求めようと喉に手を当てる。 息苦しい。 つらい。 何かが頬をつたう。 昔を思い出してしまう。 身体が弱れば、精神も弱るとは本当だったんだな。 あのころのことなんか、思い出したくもないのに。 「ゲホッゲホッ!!ヒュッ…ゴホッ!…捨て…ないで…」 もうあんな思いはしたくない。 仲間ともっと一緒にいたいから。 「ーーっ!?ーーー!」 「--!!」 何か、聞こえる。 ドタドタと足音のようなものや、聞き取れないが大声も。 誰だろう。 でも目は開けようと思っても、次第に前は暗くなり、 ふっと意識が落ちた。 [newpage] トントンside ロボロからゾムのインカムが壊れたと報告してきたのが数時間前。 情報が集まらず幹部で作戦会議を始めたのが1時間前。 どうするかと煮詰まっていた。 「みんな!!ゾムが帰ってきた!!」 インカムからロボロの大声が響く。 幹部全員が椅子から勢いよく立ち上がり、一斉に会議室を出る。 いつもなら走るなと注意するがそんな余裕もなく、俺も走り出す。 ロボロが言うに、基地の入口にいる。 時々すれ違う兵士たちが毎度驚いた顔をしていた。 それもそうだろう、幹部のほぼ全員が全速力で横切られては、驚きぐらいはする。 でもそんなことを俺達が考える暇なんてなくて、夢中で走っていた。 「ゾムッ!!!!」 早く降りたグルッペンの声がした。 1階まで降り、すぐに入口まで向かうと、そこにはゾムがいた。 でも倒れているその状態は非常に良いなんて言えるものではなくて、全員がゾムのもとに駆け寄る。 顔は赤く呼吸は荒い。 とても苦しそうで、頭と胸を押さえている。 風邪?風邪にしては、ここまで酷いか? 「ゾム!ゾム!苦しいんか?!」 「ゾム、大丈夫か?意識ある?」 誰が何度呼びかけても反応せず、ただ息苦しそうな呼吸を続けているだけだった。 これはすぐにペ神のところに行かないと。 「シッマペ神に伝えといてくれ、俺がゾムを医務室まで連れてくわ!」 「分かった!」 コネシマがすぐさま走る。 俺はゾムをそっとおぶって医務室に向かう。 グルッペンは、頼んだぞと俺に向かって呟くと、未だ混乱中の幹部たちに声をかけていった。 そんな光景を見つつ、あまり揺らさないよう慎重に、けど全力で走る。 俺だって内心かなり焦っているのだ。 連絡が途絶えたと思ったら帰ってきてそれなのに弱々しく倒れている場面を見てうろたえない方がおかしい。 でも、自分が混乱していては、かえってゾムの容体を悪くしてしまうからと冷静を装った。 「ハァ…ヒュー、ウッ」 急がなければとスピードを上げれば、医務室の前に来た。 「ペ神!ゾム連れてきたで!」 「コネシマから聞いたよ、トントンはゾムをベッドに寝かせて、熱計ってくれる?」 「分かった」 ペ神に言われた通りゾムをベッドに寝かせ、脇へ体温計を突っ込む。 コネシマは皆に報告してくると出ていき、俺は顔色をうかがうと先程よりも青白い。 俺は苦い顔をして目にかかっている前髪をさらりと掻き分けた。 しばらくするとピピピ、と電子音が鳴り響き、体温計を手に取る。 出てきた数字を見てみれば39.5度。 こんな数値はこの軍に来てからあまり見たことないほどに高かった。 「ペ神!ペ神!熱39.5度なんやけど!これやばない?!」 「ちょっと待って」 ペ神がゾムに近付き、呼吸だったり何だったりと確かめる。 俺はそれをただ隣で黙って見ているだけだった。 それがなんとも歯痒い。 「熱が39度…呼吸音もおかしい……まずい、肺炎おこしてる…」 「肺炎?!」 「ゾムのことだから、前から体調が悪いこと隠してたんだろうね」 だとすれば、任務に行く前から既に無理をしていたのか…徹夜していたとはいえ出会ったにも関わらず、気付けなかったことが悔しかった。 あの時自分が気付いていれば、こんなことにはならなかったんだ。 ふつふつ自分への恨みが募っていく。 「トントン一人が気を負うことはないよ。 無理をして隠したゾムも、朝にチェックしなかった俺も反省しないといけないからね。 でも今は、ゾムの治療が先だから、手伝ってくれない?」 ペ神の言葉に、心の中を見透かされたような気がした。 でもそのおかげで今、自分を責めている場合じゃないと気付き、今やらなければいけないことがはっきりと分かった。 「もちろん手伝う。 ……ありがとな、ペ神」 「…なんのことかなぁ?」 [newpage] 「…また失敗したのか! この役立たずが!」 そう言って、父に足で蹴られる。 「いっ!……ごめん、なさい」 「あんたを育てて私たちの良い道具にしてやるつもりなのに、こんなところでつまずいてるの?!」 そう言いながら、母に火のついたタバコをぐりぐりと手に押し付けられる。 「うぁ、つぎは、せいこうさせます…」 「もういい、売るぞ」 「そうね、使えないし。 また新しいの買いましょう」 その会話を、痛みに耐えながら聞いていた。 「ごめん、なさい。 ごめんなさい。 すてないで、もっといいこにするから…」 「任務に失敗しただと?!折檻部屋行きだ。 …折角高い値で買ってやって食事もさせているというのに、反省しろ」 そう言って放り込まれた部屋で、人体実験や水責めなど、たくさん痛めつけられた。 「痛い、いたい、やめて。 やだ…」 「クソォ!wrwr国め…お前が来てから、全て私の思わぬことばかり起こる!戦うことしかできない化け物が…お前は基地に潜り込んで総統を殺して来い! これは命令だ……お前はいらない」 そう言うと王は兵士に命令して、ナイフと銃と地図だけを持たせて外に出された。 「お前の国の王が、どうやら国を捨て逃げたらしい。 その様子では、お前は捨て駒として使われたようだな」 この基地の総統は、ナイフを向けられた今でも笑っている。 どうやら俺がここに来るのは知っていたようだ。 そしてなぜだか、この人を殺す気になれない。 それよりも、今この人が言った。 俺の飼い主が逃げた。 俺を遠くへ置いてどこかへ。 なんで、なんで、 「…なぁ、おれ、すてられたん?………いやや、痛みにも耐えたのに、ずっと我慢してきたのに、なんでや?………捨てないで…」 敵の前なのに、こぼれてしまった言葉を最後に、目の前が真っ暗になった。 [newpage] 「……!ーーっ!」 「………ん…」 目が覚めて、まだ視界がぼんやりとした中見たのは、真っ白な天井と大先生の顔。 焦っているようだったが、すぐに安堵の表情を見せた。 「ゾムさん気がついた?良かった~心配したんやで?」 意識がはっきりとしてきて、周りを確認すれば、どうやらここは医務室のようだ。 自分の腕には点滴であろう細い管が伸びていた。 どうすればいいのか分からず黙っていると、大先生から色々と聞かされた。 自分で基地まで帰ってきたこと、肺炎になったこと、みんなが心配していたこと。 「あとゾムさん、なんかさっき魘されとったけど大丈夫?」 「…ぁ、だいじょう」 「あ、ごめんゾムさん、ペ神から声出さないように言われとったんやった。 んーと、これ使い。 あと起こすの手伝うわ」 ゆっくりとではあるが、身体を起こしてもらい、渡されたのはペンと少し大きめのメモ帳。 別に話したいことでもないが、このままでは不審がられると思い少し慣れない手つきで書く。 『だいじょうぶ、わるいゆめを見ただけ』 「悪い夢?ていうかゾムさんって字書けたんやな」 どういうことや、酷くね? 「ゾムっ!!」 勢いよくドアが開いたかと思えば、大声で自分の名を呼ぶグルッペンがそこにいた。 グルッペンだけじゃない、後ろには幹部全員がいて、みんな中に入ろうと押し合っている。 『なんでみんな来たん?』 「え、あぁ…しゃべれへんのか。 そりゃあ倒れた人が起きたら誰だって来るわ!…心配したんやで」 「そうや!帰ってきて倒れとるんで?!びびったわ!」 「うるさいっすよクソ先輩、ここ医務室なんですから」 心配してくれていると知って少し恥ずかしい気持ちになったが、そう思ったのも束の間、みんなが忙しい時期にあらぬ心配をかけさせてしまったと不安になる。 下を向いているとグルッペンが俺の前に立つ。 その表情は少し怒っているようだ。 「ペ神から聞いた。 どうやら前から体調が悪かったらしいな。 なぜなにも言わなかった」 『めいわくになるとおもって』 「「「ハア?!」」」 幹部全員が急に大声をあげた。 その声にびっくりして思わず顔を上げた。 「誰も迷惑なんて思ってないで!むしと言ってくれんと心配するんやから!」 「珍しく心あることいいますねクソ先輩」 「なんやと?!」 「でもコネシマの言う通りや」 「そうやでゾム!お前のインカム壊れたときめっちゃ焦ったんやからな!」 「あんときのロボロやばかったな」 「そういう大先生は情報集めてるときめっちゃ怖かったで」 いつもどおりの皆で、気を遣ってくれているのだろうか色々と言ってくれる。 でもさっきの夢が、過去がちらついて頭から離れない。 「…で、も」 「ゾムさん!あんましゃべらん方が……」 「でも、たいちょうわるかった、のも、俺のせいやし…それに任務も、しっぱいしたし……あ、ごめ、なさい、すてないでください」 フードがないから、かけていた布団で顔を隠す。 みんなの顔を見ることが怖い。 さっきの雰囲気でもやはり不安は拭いきれなくて。 「つぎは、失敗しませんから、まだ、ここにいさせ」 言葉の続きは、暖かい何かに包まれて遮られる。 「…グル、ペン?」 気付けばグルッペンの腕の中だった。 どうやら抱きしめられているようで、俺はその行動に疑問しか浮かばなかった。 でもそのグルッペンは少し震えていて、返す言葉も見つからない。 そこでグルッペンが口を開いた。 「そんな失敗したからといって捨てるわけがないだろう?体調が悪いならそう言ってくれ。 怪我をしたなら医務室に行かずとも誰かに伝えろ。 頼むから、無理をしないでくれ。 お前が倒れて帰ってきたとき、本当に、怖かった。 あんな思いはもうしたくない」 ぐずぐずとグルッペンらしくない声ではなされて、泣いているのだと分かった。 それだけじゃない。 急に前が暗くなったと思ったら、みんなが俺に抱きついていて。 「おれ、ここ、おっても、、ええん?」 「「「当たり前やろ!!」」」 揃った声を聞いて俺ははじめて声を上げて泣いた。 いたいと言って泣いていたあの時とは違う、安心してポカポカしたような感覚は、俺が泣き止むまでずっと続いていた。 「よかった、目が覚めたんやねゾム」 声のするほうを一斉に向くと、そこには少し汗を流したペ神がいた。 「ペ神、はよゾム見てやってくれ」 「はいはい、さぁみんなは一回出てね」 「え、俺はここに「添い寝してほしいの?」よーしみんな、一旦ここを出るぞ!」 ペ神の一言ですぐさまこの場を立ち去るのがおかしくて、つい笑ってしまう。 「もうゾム、無理したらだめだよ?みんなゾムが起きるまで全然仕事に集中してなかったからね、そんだけ心配してたんだよ」 そうなんや、さらに迷惑かけてしま「迷惑かけたなんて思わないでね?」 バッと顔を上げてペ神を見る。 なんで分かったんや、怖っ。 「今ゾムが考えてることくらい分かるよ。 それより、これから2週間は絶対安静だからね?当分食べるものも肉とかは控えてもらうから。 もちろん内ゲバも悪戯もなし」 「え、」 せめて食べるものだけでも、と意見を言おうとしたが、ペ神の有無を言わさぬ顔に黙って聞くしかなかった。 「黙ってた罰だね。 そのぶんみんなに構い倒されるといいよ」 診察が終われば、みんなが入ってきた。 医務室だと言うのに騒がしく、毎度ペ神の注意で静まるが、やはりそう簡単に黙るなんてできる訳がない。 そんな騒がしさがここに帰ってきたと安心できて嬉しかった。 「ありがとな」 小声で発した言葉に、気付く者はいない。 [newpage] ***************** 「監視カメラに写ってたんやけど、ゾムが意識失う直前に何か喋ってたんや。 起きた後も似たようなこと言ってたから、多分過去になんかあったんやろうな」 「そういえばトン氏、ゾムが俺を暗殺しに来た時も同じようなことを言っていたな」 「…ゾムの前居った国、あそこは昔よく子供を買っては捨ててるって言うてたなぁ…確か王は逃げ出したんやったな。 大先生、探し出せるか?」 「当たり前やろ、すぐに見つけたるわ」 「頼んだぞ。 他はすぐに動けるように準備などをしておくといいぞ」 「よっしゃ!肩慣らしにシャオロンと勝負や!」 「どうせお前負けるやん。 大人しく武器の手入れしとけや」 「なんや、怖いんか?!」 「上等やボコボコにするからな!」 「さて、爆弾どのくらい持っていきましょうか…」 「エミさんも出るんすか?」 「当然でしょう、こんなことで怒らない人がいますか?」 「そっすね」 「マンちゃんも出るの?」 「当たり前めう~、めちゃくちゃ怒っとるやろ?ひとらんも」 「うん、久々だよこんな怒りは。 がんばろう」 「…大事な仲間を傷つけていたんだ。 俺も出ていいか?トン氏」 「ハイハイ、どうせ何言っても聞かんのやろ。 今回は許しますよ」.

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