インフルエンザ 罹患 者 数。 予想されたインフルエンザによる死亡者は新型コロナウイルスによって抑えられた

インフルエンザの日本国内での致死率はどのくらいなのか?超過死亡数と厚生労働省の人口動態調査に基づく二つの推計

インフルエンザ 罹患 者 数

厚労省によると、全国の推計の患者数は約283万人で、前週から112万人増えた。 年齢別では5~9歳が約59万人と最も多く、10代も約40万人に上った。 都道府県別の定点1医療機関あたりの患者数は、鹿児島が最も多く86・53人。 次いで、宮崎84・97人、福岡83・99人、大分82・40人、佐賀69・64人と続く。 東京は49・67人、愛知は62・12人、大阪は44・17人だった。 計44都府県で警報レベルを超えた。 休校や学年・学級閉鎖をした保育所や幼稚園、小中高校は全国で7536施設に上り、前週の161施設から50倍近くに急増した。 ウイルスは直近の5週間では、2009~10年に新型として流行したA型のH1N1とB型が同程度で全体の8割超を占めた。 毎年2~3月に流行するB型が例年より早めに増えている。 複数の型のウイルスが同時に流行し、患者数を押し上げているとみられる。 インフルエンザに詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は「子どもを中心にB型の感染が広がっているとみられる。 今後、大人にも高齢者にも広がる恐れがあり、注意が必要だ」と指摘する。 (土肥修一、).

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インフルエンザの流行状況(2019年から2020年)

インフルエンザ 罹患 者 数

概 念 突如として発生して瞬く間に広がり、数カ月のうちに消えていく、咳と高熱の流行性疾患の記録はヒポクラテスの時代からあったといわれている。 我が国では、平安時代の「増鏡」に「しはぶき(咳)やみはやりて人多く失せたまふ・・・」と書かれており、江戸時代には、「お駒風」「谷風」などと名付けられた悪性のかぜ(インフルエンザ?)の流行が見られたという。 1890年(明治23年)にインフルエンザ様疾患が世界的に大流行した頃から、我が国ではインフルエンザ様疾患のことを流行性感冒(流感)と呼ぶことが定着してきた。 1918年には、スペイン型インフルエンザ世界各地で猛威をふるい、全世界の罹患者数6億、死亡者は2,000-4,000 万人にのぼったと推定されている。 我が国には大正7-8 1918-1919 年の冬に流行が持ち込まれ、罹患者は2,300 万人、死者は38万人に及んだといわれる。 当時の新聞には「流感の恐怖時代襲来す-一刻も早く予防注射をせよ-」という見出しが見られる。 ヒトのインフルエンザウイルスは、1933年 Smith, Andrews, Laidlow らによって初めて分離されたが、そのきっかけとなったのは、Shope によるブタインフルエンザからのウイルス分離(1931年)であるといわれている。 ウイルス分離後はワクチンの開発研究も進み、米国では1940年代に不活化ワクチンが実用化された。 ウイルス粒子をエーテル処理して発熱物質などを除去し、免疫に必要な赤血球凝集素 HA を主成分としたHA型ワクチンが我が国で実用化されたのは、1972年である。 60年も前にウイルスが分離され、ウイルスの研究が進められ、ワクチンも早い時期から実用化され改良が続けられているにもかかわらず、いまだにインフルエンザは世界中いたるところで流行が見られている。 また膨大な研究がなされているにもかかわらず、流行状況やその把握、感染と免疫のメカニズム、ウイルスが変異をしていく理由、予防方法などインフルエンザの基礎は、急速な進展を遂げながらも十分に解明されているとは言えない。 あまりに身近な疾患でありすぎるのかもしれない。 いまだに残されている最大級の人類の疫病といっても良い程のインフルエンザに対し、もっと多くの基礎的知識を集積し、十分な防疫体制を確立できるように、我々は努力する必要がある。 インフルエンザウイルス インフルエンザウイルスはウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから、A・B・Cの3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型である。 A型ウイルス粒子表面には赤血球凝集素 HA とノイラミニダーゼ NA という糖蛋白があり、HAには16の亜型が、NAには9つの亜型がある。 これらは様々な組み合わせをして、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布しているので、A型インフルエンザウイルスは人と動物の共通感染症としてとらえられる。 そして最近では、渡り鳥がインフルエンザウイルスの運び屋として注目を浴びている。 ウイルスの表面にあるHAとNAは、同一の亜型内で 抗原性を毎年のように変化させるため、A型インフルエンザは巧みにヒトの免疫機構から逃れ、流行し続ける。 これを連続抗原変異 antigenic drift または小変異という。 いわばマイナーモデルチェンジである。 連続抗原変異によりウイルスの抗原性の変化が大きくなれば、A型インフルエンザ感染を以前に受け、免疫がある人でも、再び別のA型インフルエンザの感染を受けることになる。 その抗原性に差があるほど、感染を受けやすく、また発症したときの症状も強くなる。 そしてウイルスは生き延びる。 さらにA型は数年から数10年単位で、突然別の亜型に取って代わることがある。 これを不連続抗原変異 antigenic shift または大変異という。 これは言わばインフルエンザウイルスのフルモデルチェンジで、つまり新型インフルエンザウイルスの登場である。 人々は新に出現したインフルエンザウイルスに対する抗体はないため、感染は拡大し至急規模での大流行(パンデミック)となり、インフルエンザウイルスは息をふきかえしてさらに生き延びる。 これまでのところでは、1918年に始まったスペイン型インフルエンザ H1N1 は39年間続 き、1957年からはアジア型インフルエンザ H2N2 が発生し、その流行は11年続いた。 その後1968年に香港型インフルエンザ H3N2 が現われ、ついで1977年ソ連型インフルエンザ H1N1 が加わり、小変異を続けながら現在はA型であるH3N2とH1N1、およびB型の3種のインフル エンザウイルスが世界中で共通したヒトの間での流行株となっている。 H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザは、1997年の香港で家禽における発生において、初めてヒトに感染した(死亡6例を含む18例のヒトにおける患者)。 このときは香港中の家禽約15万羽の淘汰により一旦収束したが、この後、2003年末から東南アジアでの家禽における発生とヒトへの感染事例が相次ぎ、感染地域の地理的な広がりとともに、ヒトにおける感染報告例も増加し、2008年12月9日現在、246例の死亡を含む389例のヒト感染症例が報告されている。 2008年現在、すでにH3N2が40年、H1N1が30年継続しているため、インフルエンザウイルスがいつ新型に置き換わってもおかしくない状況であり、H5N1に限らず、新型インフルエンザの発生に引き続き警戒が必要である。 疫学状況 突然に現われるインフルエンザは、狭い地域からより広い地域、県・地方・国を越えて流行があっという間に広がり、学校や仕事を休むものが増えてくる。 医療機関では外来患者数の増加とともに、肺炎、クループ症状、痙攣、心不全、脳炎・脳症などの入院数が、内科、小児科ともに増加してくる。 わが国のインフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり、翌年の1-3月頃にその数が増加、4-5月にかけて減少していくというパターンであるが、流行の程度とピークの時期はその年によって異なる。 以下に近年の例をあげる。 定点当たり週別患者数は、2007年第3週に全国的な流行の開始の指標である1. 0人を超え、2007年第11週のピーク(32. 9人)まで徐々に増加した。 第13〜14週に大きく減少し、第15週以降は緩やかに減少した。 過去10シーズンの中で、流行開始は2番目に遅く、ピークとなった週と、全国レベルの定点当たり患者数が1. 0人を切った週(第21週)は最も遅かった。 定点当たり週別患者数は、サーベイランスが開始された1987年以来最も早く全国レベルで1. 0人を超え(2007年第47週)、年末年始に一旦減少したが2008年第5週にピークを迎えるまで増加した(17. 7人)。 その後患者数は減少に転じ2008年第14週で1. 0人を切った。 ピークの高さ、および定点あたりの累積患者数を見ても過去10シーズンで2番目に規模の小さい流行であった。 このシーズンはノルウェーなどヨーロッパ諸国及び南半球では抗インフルエンザ薬オセルタミビル耐性H1N1株の流行が高頻度に分離されたが、日本では2. 6%と少なかった。 しかし、わが国でも今冬の流行において諸外国のように耐性株が増加するのか継続した監視が必要である。 診断・治療の進歩 発熱・頭痛・全身の倦怠感・筋関節痛などが突然現われ、咳・鼻汁などが相前後して続き、約1週間で軽快するのが典型的なインフルエンザの症状である。 その他のいわゆるかぜ症候群に比べて全身症状が強いのが特徴であるが、正確な診断にはウイルス学的な裏付けが必要である。 インフルエンザ流行期にかぜ症状のあるものすべてついて安易に「インフルエンザ」と断定することは、疫学状況を正確に把握し、ワクチンの効果を判定するに当たって誤解を生じかねない。 また治療に際しても抗インフルエンザウイルス剤の適切な選択に関係するので、診断にあたっては慎重を要する。 病原診断には、咽頭拭い液やうがい液を材料にして、ウイルス分離を行うことが標準であるが、時間はかかる。 Polymerase chain reaction PCR 法を用いてウイルスゲノムを検出することによって短時間で結果を得ることも可能であるが、地方衛生研究所や限られた検査室でないとできない。 最近は、ベッドサイドもしくは外来などでインフルエンザ抗原を検出するキットが市販されるようになり、健康保険も適用されるようになっている。 A型のみ判定できるもの、A型とB型が同時に判定できるものなどがある。 また、コマーシャルラボなどでも、上述のPCRや血清におけるインフルエンザウイルス抗体の測定が可能であり、ウイルス学的診断が日常の臨床の中で容易にできるようになってきた。 すべてのインフルエンザ様疾患患者にウイルス学的検査を行うことは実際的ではないが、診断の裏付けとして重要な意味を持つ。 本邦では1998年11月に、インフルエンザの治療薬として 塩酸アマンタジン 商品名シンメトレル)が認可された。 塩酸アマンタジンはA型ウイルスの表面にあるM2蛋白に作用してインフルエンザウイルスの細胞への侵入を阻止し、抗ウイルス作用を発揮するため、M2タンパクを有さないB型インフルエンザに対しては無効で、A型インフルエンザのみにしか効果はない。 また、2001年2月に、 リン酸オセルタミビル(商品名タミフル)と ザナミビル(商品名リレンザ)がインフルエンザに対して健康保険の適応となった。 インフルエンザウイルスが生体の細胞から細胞へ感染・伝播していくためには、ウイルス表面に存在するノイラミニダーゼが不可欠だが、これらの薬剤はこの作用をブロックすることによって、増殖したインフルエンザウイルスが細胞外へ出て行くことを阻害することにより、効果を発揮する。 ノイラミニダーゼはA、B型に共通であることから、A型、B型インフルエンザ両方に効果があり、リン酸オセルタミビルは経口薬、ザナミビルは吸入薬である。 さらに2002年4月には リン酸オセルタミビル(商品名タミフル)ドライシロップが健康保険の適応となり、1歳以上の小児で使用可能となっている。 これらのノイラミニダーゼを阻害する抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内に服用することにより、合併症のないインフルエンザでの罹病期間を短縮することが確認されている。 また、ハイリスク患者においてもそれまで健常な患者においても、下気道感染症や抗菌薬を必要とするような合併症、あるいは入院を減少させたという報告がある。 昨今 リン酸オセルタミビル服用後の異常行動が指摘されているが、現在のところ専門家の調査では明確な因果関係は認められていない。 ただ、 2007 年 3 月 20 日には厚生労働省より因果関係は不明であるものの、10歳以上の未成年の患者においては原則として本剤の使用を差し控えることという通知が発せられたいう。 リン酸オセルタミビルと異常行動に関しては、今後の更なる調査と広い情報収集、および注意深い解釈が必要であると考えられる。 予防方法(予防接種) 現在我が国を含め多くの国で用いられているインフルエンザワクチンは、エーテルでウイルスを処理して発熱物質などとなる脂質成分を除き、免疫に必要なウイルス粒子表面の赤血球凝集素 HA を密度勾配遠沈法によりHAを回収して主成分とした、HAワクチンといわれる不活化ワクチンである。 WHOでは、世界から収集したインフルエンザの流行情報から次のシーズンの流行株を予測し、ワクチン株として適切なものを毎年世界各国にむけて推奨している。 我が国では、毎年インフルエンザシーズンの終わり頃にWHO からの情報および日本国内の流行情報などに基づいて、次シーズンのワクチン製造株が選定され、製造にとりかかる。 現在はA型のH3N2とH1N1およびB型の3種のインフルエンザウイルスが、世界中で共通した流行株となっているので、原則としてインフルエンザワクチンはこの3種類の混合ワクチンとなっている。 5ml中に各株のHA蛋白が15gづつ含まれている。 インフルエンザワクチンによる副反応については、軽度の副反応、すなわち局所反応が10%程度、発熱など全身反応が1%以下である。 死亡あるいは生涯にわたりハンデイキャップとなる副反応の発生は、予防接種被害認定などの調査に基づいた調査では100万接種あたり1件に満たない。 残念ながらゼロではないが、この数字は、現在広く用いられている他のワクチンに比べやや少ない程度で、特にインフルエンザワクチンの安全性が低いと言うことはない。 基礎疾患のある方は、インフルエンザにかかると合併症を併発する場合があり、高齢者では細菌の二次感染による肺炎、気管支炎、慢性気管支炎の増悪が起こるリスクがある。 また、乳幼児では中耳炎や熱性けいれんが、その他の合併症としては、ウイルスそのものによる肺炎や気管支炎、心筋炎、アスピリンとの関連が指摘されているライ症候群などが挙げられる。 合併症の状況によっては入院を要したり、死亡したりする例もあり注意を要する。 毎年我が国では、小児において年間数百例のインフルエンザに関連したと考えられる急性脳症の存在が明らかとなっている。 インフルエンザに対して科学的な予防方法として世界的に認められているものは、現行のインフルエンザHAワクチンである。 インフルエンザワクチンには、はしかワクチンのように発病をほぼ確実に阻止するほどの効果は期待できないが、高熱などの症状を軽くし、合併症による入院や死亡を減らすことができる。 特に65歳以上の高齢者や基礎疾患(気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症(免疫抑制剤による免疫低下も含む)など)を有する方はインフルエンザが重症化しやすいので、ワクチン接種による予防が勧められる。 そのような人の周辺にいる人や、その他にインフルエンザによって具合が悪くなることを防ごうと思う人に対しても、ワクチンは勧められる。 より良いワクチンへの改良開発は当然必要であり、投与回数・投与法(経鼻投与など)・アジュバントの工夫・人工膜ワクチンなど、新ワクチンの研究が進められている。 おわりに 死亡率の減少などとともに、次第に「インフルエンザはかぜの一種でたいしたことはない」という認識が我が国では広まってしまったが、決してそうではなく、国内でも地球的規模で見ても、インフルエンザは十分な警戒と理解が必要な疾患である。 流行に伴う個人的・社会的損失はたいへん大きい。 また新型インフルエンザウイルスの出現は必至である。 これに対する警戒を怠ってはいけないことも強調しておきたい。

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予想されたインフルエンザによる死亡者は新型コロナウイルスによって抑えられた

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1.インフルエンザ死亡者数 抗インフルエンザウィルス剤タミフルの副作用として異常行動が問題となり、また、鳥インフルエンザから新型のインフルエンザが生じ、大きな疫病被害に発展する可能性が懸念されるなどインフルエンザが注目されていた。 そうした中、2009年には新型インフルエンザが発生し、死亡者数の急増が懸念されたが、幸いにも弱毒性の病原体であったので、日本における新型インフルエンザによる死亡者数は198人とそれほど多くなく、各国と比較しても死亡率は非常に低かった(図録参照)。 ここでは、インフルエンザによる死亡数の推移の図を掲げた(男女・年齢別の死亡数については図録参照)。 インフルエンザは流行る年と収まっている年とがあり、それが直接の死因となった死者数も毎年の変動が大きい。 1957年の「アジアかぜ」によるピーク7,735人から、1970年代までインフルエンザ死亡者数は、おおむね、減少傾向をたどり、1980年代〜90年代前半は、千人以下の少ないレベルに止まっていた。 ところが、90年代後半から、大きく増加する年が目立つようになり、2010年以降は、増勢の傾向が認められる。 気候変動、国際観光流動、高齢化、栄養状態、検査法など、何らかの傾向的な変化と連動しているかどうか、気になるところである。 なお、近年の死亡者の9割以上は65歳以上の高齢者である点については図録参照。 また、近年のインフルエンザ死亡数の増加傾向の要因として高齢層の拡大が大きく寄与している点については、図録参照。 参考までに月別の死亡数の推移を以下に掲げた。 2019年の9月までの死亡数の対前年比は1. 3%増である。 インフルエンザによる死亡については、直接の死因がインフルエンザではなく、肺炎等の他の疾患による場合は、死因別死亡数にはあらわれない。 従って、WTOや厚生労働省では、超過死亡 excess death, excess mortality の概念でインフルエンザによる死亡数を推計している。 これは、インフルエンザが流行した年に通常年と比較して死亡者数が多くなった場合、それをインフルエンザによる死亡と見なす考え方である(具体的にはインフルエンザ以外の諸要因による死亡者数をベースラインとして推計して実際の死亡者数との差をインフルエンザによる超過死亡とする)。 表示選択の図として、国立感染症研究所による超過死亡概念による推計死亡者数を掲げたが、年によって1万人を超えるなど直接インフルエンザを死因とする死亡者数をかなり上回ることも多い。 なお、人口動態統計のデータは暦年(1月〜12月)であり、超過死亡は冬場をはさんだ流行シーズン期間毎の計算である。 図録で掲げた毎年のインフルエンザ患者率を下に再掲した。 インフルエンザの流行のピークが何月になるかで流行年は微妙にずれる場合もある。 有効な予防策であるワクチンの接種が日本では他のOECD諸国と比べ遅れていた状況については、図録参照。 2020年1月〜2月に中国武漢市(湖北省)を震源地として新型コロナウイルスによる肺炎の流行がはじまり、この図録が非常に多く参照されている。 新型ウイルスなので不安が高まっているが下表のように今のところインフルエンザと同様の恐れという程度のようだ。 新型コロナウイルスとその他ウイルスの感染力と致死率 感染力(感染者1人 から感染する人数) 致死率(%) 新型コロナウイルス 2. 2〜3. 7 2. 0 湖北省 2. 8 うち武漢市 4. 1 湖北省以外 約0. 17 インフルエンザ 2〜3 約0. 1(国内) SARSウイルス 2〜4 9. 6 MERSウイルス 0. 69 35 (注)国立感染症研究所の資料などから。 新型コロナウイルスの感染力は北海道大の西浦博教授の試算。 同致死率は中国の2月6日時点の中国政府発表によるものであり、武漢市の致死率が特に高いことに影響されており、致死率の母数となる感染者数が現在除かれている軽症者まで含め正しくカウントされれば湖北省以外のレベルになると考えられる。 (資料)東京新聞(2020年2月7日) (戦前のインフルエンザ:スペイン風邪) 戦前から1960年代までの推移を表示選択で見れるようにした。 戦前のインフルエンザ死亡者数は戦後よりずっと多かったことが分かる。 特に1908〜09年における「スペイン風邪」の世界的流行には日本も巻き込まれ、1918〜19年と1920年に、それぞれ10万人以上がインフルエンザで死亡したというデータになっている。 新型コロナウイルスでも流行は一波では終わらないかも知れないということの警告として、東京新聞の社説(2020年4月27日)が要領よくスペイン風邪の推移について記述しているので次に引用した。 「1918(大正7)年8月下旬に日本に上陸したスペイン風邪は11月に一気に大流行し、いったん収まった後、翌19年も半月の患者数が55人に達するほど荒れ狂いました。 ようやく3月に感染者が減り始め、6月には月間8千人程度に。 このシーズンの患者は2,117万人、死者は26万人となりました。 これで終わったかと思ったら、同年の10月末から流行が再燃しました。 20年2月まで猛威を振るい、患者は241万人、死者は13万人でした。 衛生局は「本回における患者数は前流行に比し十分の一に過ぎざるも、病性ははるかに猛烈にして、死亡率非常に高く、前回の四倍半にあたれり」と記しています。 大流行といえる期間は、それぞれ3〜4カ月も続きました。 (中略)スペイン風邪からは、数々の教訓が読み取れますが、最大の教えは「波は一度ではない」ということでしょう」。 「スペイン風邪は、二冬目の方がパワーアップしました。 毒性が強くなったのは、ウイルスの遺伝子がわずかに変異したのが原因とみられています。 必ずしも強毒だから恐ろしく、弱毒だからくみしやすいとはいえません。 弱毒のウイルスは宿主を死なせないので、拡散が大規模になりがちです。 相違点は、スペイン風邪は20代、30代の人々が高齢者よりもずっと多く死亡したことです。 高齢者が持っていた免疫が影響した可能性があります。 欧米の感染拡大は、すでにペースを落としており、夏に一服するという見方も出ています。 しかし南半球は、今後寒い季節に入り、北半球にもいずれ冬がやってきます。 次の感染拡大までの準備期間ととらえるべきかもしれません。 衛生局は2度目の傾向として「前回の流行時にかからなかった人が重症となる」「前回激しく流行しなかった地方で、本回は激しく流行した」と記述しています」。 2.新型インフルエンザ発生時のコメント 2009年4月メキシコで発生した豚インフルエンザは、人から人へ感染し、人類にとって免疫のない新型インフルエンザと認定され、29日夜(日本30日早朝)、WHO(世界保健機関)は警戒レベルを人から人への感染が確認されたという現在の「フェーズ4」から、世界的大流行(パンデミック)前夜とされる「フェーズ5」に引き上げた。 当図録にも「インフルエンザ 死者」といった検索で訪れる人が増えているので当図録データと関連した最低限のことについてふれる。 対処法などは最寄りの保健所への問い合わせや厚生労働省のHP閲覧等によって頂きたい。 今度の新型インフルエンザはこれまでのところ全身感染を引き起こさない弱毒性のものであり、人類にとって免疫がないため広範囲に広がるおそれが大きいが、致死率は大きくないのでとんでもない死亡者数には必ずしも結びつかないようだ。 ただ、免疫がないので感染者数自体が非常に多くなり、致死率は低くとも死亡者数の絶対数はかなりの値となる可能性がある。 毎年の季節性のインフルエンザでも多いときには1万人以上の死亡者数(併発した肺炎等による死亡を含む)となっているので、それ以上の死亡者数の発生も可能性としては否定できない。 また「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだったという(YOMIURI ONLINE 2009. 30)ので注意が必要だ。 20世紀に大流行した新型インフルエンザ 発生年 名称 型 死者数 致死率 1918年 スペイン風邪 H1N1型 4000万人 2. 0% 1957年 アジア風邪 H2N2型 200万人 0. 5% 1968年 香港風邪 H3N3型 100万人 0. 5% *季節性インフルエンザは日本で1万人前後(致死率0. 05%) (資料)毎日新聞2009年4月30日 こうした点についてふれた毎日新聞2009年4月30日の記事を以下に紹介する。 新型インフル:ウイルスは弱毒性 田代WHO委員 【ジュネーブ澤田克己】感染が広がる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)への警戒レベル引き上げを討議した世界保健機関(WHO)緊急委員会委員の田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長は28日、記者会見し、今回のウイルスは「弱毒性」との見解を示した。 強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが新型に変異した場合に比べ「それほど大きな被害は出ない」とみられ、「全く同じ対策を機械的に取るのは妥当でない」と述べた。 田代氏は毒性について「今後、遺伝子の突然変異で病原性を獲得しないという保証はない」としたうえで、遺伝子解析の「予備的データ」の結果として、現段階で「強い病原性を示唆するような遺伝子はない」と「弱毒性」との認識を示した。 被害については、現在の毒性が変わらなければ、パンデミックを起こしても、約200万人が死亡した57年の「アジア風邪くらいかもしれない」とした。 数千万人規模の死者が想定される強毒性H5N1型と「全く横並びに判断していいものではない」と話した。 致死率などについては、疫学的調査が終わっていないため「実際の数字は分からない」と説明。 そのうえで、メキシコで感染が疑われる患者が1000人を超える一方、同国以外は数十人規模であることから「割合からすれば(他の国で多くの)重症者が出なくても当たり前かもしれない」と述べた。 対策についてはH5N1型に比べ「健康被害や社会的影響は大きく異なる。 全く同じ対策を機械的に取ることは必ずしも妥当ではない。 フレキシブル(柔軟)に考えていく必要がある」と述べた。 日本の対策については「少しナーバスになり過ぎているところがあるかもしれないが、後手後手になって大きな被害が出るよりは、やり過ぎの方がいいかもしれない」とした。 また、「風邪というような判断で特別な検査に至らない状況がある」と発見の遅れに憂慮を示した。 また同氏は、新型インフルエンザウイルスは、北米型とユーラシア型の豚インフルエンザウイルスに、人と鳥のインフルエンザウイルスを加えた4種類の遺伝子が混合したものと説明。 「H5N1型による大流行のリスクが減ったわけではない」と、警戒を怠ることは危険だと警告した。 3.インフルエンザの知識 以下にインフルエンザの知識について、厚生労働白書から引用する。 インフルエンザとは インフルエンザは、かぜ症候群を構成する感染症の一つであり、症状の程度によっては普通のかぜと見分けにくいことから、特に我が国においては、一般のかぜと混同されることが多い。 しかしながら、一般にインフルエンザの症状は重く、特に高齢者や心臓病などの基礎疾患がある場合には重症化しやすい傾向があると言われ、肺炎や脳症などの合併症も問題となっている。 インフルエンザは、時に大流行して多くの犠牲者を出すこともあり、過去の世界的大流行としては、1918(大正7)年に始まった「スペインかぜ」、1957(昭和32)年の「アジアかぜ」、1968(昭和43)年の「香港かぜ」などがある。 中でも、スペインかぜによる被害は甚大で、死亡者数は全世界で2,000万人とも4,000万人とも言われている。 (厚生白書平成12年版) 高齢者を中心とする慢性疾患を有する者が罹患すると肺炎を併発するなど重症化する場合が多く、特別養護老人ホームにおける集団感染の問題や、インフルエンザによる死亡者の約80%以上を高齢者が占めることなど、高齢化が進行している我が国にとってインフルエンザはますます大きな脅威となっている。 さらに、近年、乳幼児において、インフルエンザに関連していると考えられる急性脳症が年間100〜200例報告されている(現在研究が行われている。 (厚生労働白書平成16年版) インフルエンザウイルスについて インフルエンザウイルスは、直径1万分の1ミリメートル(100nm(ナノメートル))という小さなウイルスであり、ヒトに感染した場合は、鼻孔や気道粘膜の表面の上皮細胞に侵入し、その中で増殖する。 インフルエンザウイルスは、そのたんぱく質の違いに基づいてA型、B型、C型に分類されるが、このうちヒトに感染し発症するのは主にA型とB型である。 A型は、ヒト以外にもブタやトリなど実に多くの動物を自然宿主とする人獣共通のウイルスであり、その表面に突き出た突起の組み合わせの違いによって香港型、ソ連型に区別されている。 また、A型は突然変異を起こして大流行することがあり、これまでもスペイン風邪を始めとする甚大な健康被害をもたらしている。 なお、同じA型であっても毎年少しずつ変化しており、以前にA型インフルエンザに罹って免疫がある者であっても、再び別のA型インフルエンザに感染し、発症することがある。 (厚生労働白書平成16年版) 新型インフルエンザウイルスの出現の仕組み 1993(平成5)年の第7回ヨーロッパインフルエンザ会議では、新型インフルエンザによる汎流行が発生した場合は、国民の25%が罹患発病すると仮定して行動計画を策定するよう勧告を出しており、我が国では、約3,200万人の患者が発生し、少なくとも3〜4万人の死者が出る可能性があることになる。 このような新型のインフルエンザウイルスは、アジア風邪、香港風邪が中国南部で出現していることから、その出現の仕組みとして、 1 元々鳥インフルエンザウイルスを保有しているカモなどの水鳥が中国南部に飛来し越冬する間に、ガチョウなどの家禽類にインフルエンザウイルスが伝播する 2 中国南部は、家禽類、ブタなどの家畜と人間との接触が濃密な生活様式であるため、家禽類からブタやヒトに感染しやすく、そのため、特に、ブタがトリのインフルエンザウイルスとヒトのインフルエンザウイルスに同時に感染し、ブタの体内で混合、進化し、新たなインフルエンザウイルスが誕生することが考えられている。 (なお、中国南部に限らず世界のどの地域においても新型インフルエンザが出現する可能性は否定できないことに留意が必要である。 ) 昨今の鳥インフルエンザが脅威とされているのは、トリからヒトへと感染するだけでなく、このような大きな仕組みによってヒトからヒトへと感染する能力をインフルエンザウイルスが獲得し、ヒト間で感染が拡大する可能性が指摘されているからである。 (厚生労働白書平成16年版) 効果的な予防策 インフルエンザに対する最も効果的な予防策は、流行前に予防接種を受けることである。 毎年、我が国では、WHOが推奨したウイルス株を基本に、これまでの我が国での流行状況などを勘案し、流行する株を予測してワクチンを作っており、この約10年間、ワクチン株と実際に流行したウイルス株とはほぼ一致している。 しかし、我が国においては、ワクチン接種率は他の先進国に比べて低く、インフルエンザによる死亡や入院を低減させ、ひいては流行を防止するに当たっての課題となっている。 特に高齢者についてはワクチン接種の有効性が高いことが確認されており、予防接種を受けずにインフルエンザに罹患した者の約7〜8割の者は、予防接種を受けていれば罹患せずに済んだか、又は軽い症状で済んだとされている。 こうしたことから、2001(平成13)年の予防接種法改正により、65歳以上の者等については、インフルエンザが定期の予防接種の対象疾患と位置づけられ、高齢者への予防接種が促進されている。 (厚生労働白書平成16年版) (2007年3月27日収録、5月8日高倉健吾氏の指摘により超過死亡概念による死亡者数追加、2008年12月2日更新、2009年4月30日・9月30日更新、11月7日最近のピーク週の定点当たり患者数推移を追加、2010年11月2日更新、2011年6月2日更新、2013年5月9日更新。 6月5日更新、2014年6月15日更新、2015年6月5日更新、2016年5月24日更新、2017年6月9日更新、2018年6月1日更新、2019年1月26日週別患者数グラフ新規、12月20日更新、近年の動向コメント改訂、2020年1月28日検査法要因追加、1月31日月別データ、2月7日新型コロナウイルスとインフルエンザ等との比較、2月15日月次更新、超過死亡数を表示選択に、2月24日表示選択に戦前からの推移図追加、3月7日【コラム】新型コロナとインフルエンザの比較、4月27日一波で終わらなかったスペイン風邪の教訓、2020年6月10日更新).

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